セレン光電池を用いた,反射光式露出計。受光面に穴の開いたプレートを抜き差しすることで,測光範囲を2段階に切りかえられる。このプレートは,完全に抜き取ることができず,紛失の危険性がなくてありがたい。裏面には,「CENTRAL ELECTRONIC」という名称が書かれている。
ワルツは,カメラ雑誌に広告を出していることが多いが,「ワルツ高級カメラアクセサリー」としてさまざまな製品写真が並べられているパターンのものが多く,このモデルの発売時期を特定しにくい。「露出の決め方」(鈴木八郎,双芸社,1951)(*1)という書籍で,この製品の使い方が紹介されており,発行年月日が「昭和二十六年十二月二十五日」となっていることから,1951年以前に発売されたものであることはわかる。また,1951年5月10日発行の「アルス写真年鑑 1951年版」(アルス,1951)(*2)では,「1950年に特筆すべきことは,戦後,始めて電気露出計が,しかも三種類も市場に送られたことである。成光電機のセコニックが一番早く出現したが,暮れになつてから日本紹介からワルツ露出計が(以下略)」とあることから,1950年末よりあとであると考えられる。ここでふれられている「セコニック」は,SEKONIC L-1のことであろう。「ワルツ」はこのモデルなのか,これより前にあったモデルなのか,そこは製品写真が掲載されていないので判断できない。つぎに,1951年5月発行の「初歩のカメラハンドブック」(吉川速男,山海堂,1951)を参照する。そこに「ワルツ露出計」が描かれている(*3)が,これは「SUPER EXPOSURE METER model EII」とはまったく異なる姿をしており,これは1950年末に発売された「ワルツ露出計」をあらわしていると考えられる。そこで,「SUPER EXPOSURE METER model EII」の発売年は,1951年であると判断できることになりそうである。
セレン光電池を用いた,反射光式露出計。受光面に穴の開いたプレートを抜き差しすることで,測光範囲を2段階に切りかえられる。このプレートは,完全に抜き取ることができず,紛失の危険性がなくてありがたい。裏面には,「CENTRAL ELECTRONIC」という名称が書かれている。
ワルツは,カメラ雑誌に広告を出していることが多いが,「ワルツ高級カメラアクセサリー」としてさまざまな製品写真が並べられているパターンのものが多く,このモデルの発売時期を特定しにくい。「露出の決め方」(鈴木八郎,双芸社,1951)(*1)という書籍で,この製品の使い方が紹介されており,発行年月日が「昭和二十六年十二月二十五日」となっていることから,1951年以前に発売されたものであることはわかる。また,1951年5月10日発行の「アルス写真年鑑 1951年版」(アルス,1951)(*2)では,「1950年に特筆すべきことは,戦後,始めて電気露出計が,しかも三種類も市場に送られたことである。成光電機のセコニックが一番早く出現したが,暮れになつてから日本紹介からワルツ露出計が(以下略)」とあることから,1950年末よりあとであると考えられる。ここでふれられている「セコニック」は,SEKONIC L-1のことであろう。「ワルツ」はこのモデルなのか,これより前にあったモデルなのか,そこは製品写真が掲載されていないので判断できない。つぎに,1951年5月発行の「初歩のカメラハンドブック」(吉川速男,山海堂,1951)を参照する。そこに「ワルツ露出計」が描かれている(*3)が,これは「SUPER EXPOSURE METER model EII」とはまったく異なる姿をしており,これは1950年末に発売された「ワルツ露出計」をあらわしていると考えられる。そこで,「SUPER EXPOSURE METER model EII」の発売年は,1951年であると判断できることになりそうである。
*1 「露出の決め方」(鈴木八郎,双芸社,1951) (国立国会図書館デジタルコレクション)
https://dl.ndl.go.jp/pid/2459837/1/50
*2 「アルス写真年鑑 1951年版」(アルス,1951) (国立国会図書館デジタルコレクション)
https://dl.ndl.go.jp/pid/2472055/1/68
*3 「初歩のカメラハンドブック」(吉川速男,山海堂,1951) (国立国会図書館デジタルコレクション)
https://dl.ndl.go.jp/pid/2458264/1/69