セコニック

L-1

SEKONIC / L-1

 セコニックのブランドとしてもっとも初期に発売されたモデルで,セレン光電池を使用し,手のひらにおさまる程度の,ほどよい大きさの反射光式露出計である。

 「アサヒカメラ」1949年10月号(戦後の復刊1号)に広告が掲載されており,そこには「セコニック電氣露出計 MODEL L-1 L-4」という2機種の存在が示されている。露出計をもつ人物のイラストが描かれており,左手で包むように握っているものが,このL-1を示していると思われる。右手には,スポットメーターのようなものをもっているが,これがL-4であろうか?しかし,この時期に,そのようなスタイルの露出計があったかどうかはわからない。もしかするとこれは,ムービーカメラをあらわしているのかもしれない。
 「アサヒカメラ」1949年10月号の広告には,また,「全國有名写眞店に有り 東京 成光電気株式會社 豊島」とあるが,セコニックのWebサイト(*1)には「1951年6月 成光電機工業株式会社(東京都豊島区)を設立。露出計の製造販売を開始。」とある。アサヒカメラに広告を出した時期と会社設立時期があっていないように見える。しかし,セコニックの前身は,1941年6月に設立した成光通信機械製作所なので,露出計の製造販売にかかわるまでに,いろいろと組織の変更などがあったのだろう。
 1951年5月発行「アルス写真年鑑1951年版」での「1950年国産カメラの動向」(愛宕通英)では,「(略)1950年に特筆すべきことは,戦後,始めて電気露出計が(略)市場に送られたことである。成光電機のセコニックが一番早く出現した(略)」(*2)とあるので,実際の発売は1950年が明けてからのことだったのかもしれない。

SEKONIC TYEP L-1, No.(銘板等が失われており不明)
測光種類反射光式
電源不要
発売1949年末ころ?

*1 沿革 (株式会社セコニック)
https://www.sekonic.co.jp/corporate/history.html

*2 アルス写真年鑑 1951年版(アルス,1951年5月) (国立国会図書館デジタルコレクション)
https://dl.ndl.go.jp/pid/2472055/1/68