「ローライ35」といえば,コンパクトで高性能なカメラとして,高い評価を得ているシリーズである。その「ローライ35」には,ドイツ製のものとシンガポール製のものとがあり,シンガポール製はコストダウンが進んでいることもあってドイツ製のもののほうが人気が高い。ところがこの「ローライフラッシュ35」は,「ローライ35」とはまったく別のシリーズとなる。製造国はドイツでもなくシンガポールでもなく,裏蓋には「JAPAN」と刻まれている。カメラの名称は「ローライ」で,レンズは「ローライノン」と名乗っているが,この当時,よく見られた日本製のオートフォーカスカメラそのものであると言ってよいだろう。日本カメラショーの「カメラ総合カタログ」では,1980年版のVol.68(昭和55年4月)には記載がなく,1980年版のVol.69(昭和55年10月)には記載がみられることから,1980年夏ころの発売と考えられる。「カメラ総合カタログ Vol. 」を参照すれば,「ローライ フラッシュ35AF」とよく似たカメラが,オリンパス(C-AF),マミヤ(135AF),ミノルタ(ハイマチックAF)から発売されていることがわかる。 実際に使用してみると,シャッターレリーズボタンの半押しだけでフォーカスロックおよびその解除ができるようになっていることから,フォーカスロックのなかったジャスピンコニカ,フォーカスロックができるもののその解除ができなかったヤシカ オートフォーカスやキヤノン オートボーイ(初代)などよりも,ずっと実用的で使いやすいカメラになっている。 そのほか「ローライ フラッシュ35AF」として特徴的なことは,カメラ上面に電源スイッチが存在することだ。電源スイッチかフラッシュのスイッチかがOFFになっていれば,電池の無駄な消耗を防ぐことができる,と考えれば,このようなしくみはシャッターレリーズにロックをつけるよりも安全性が高いと考えることができる。ピッカリコニカが,フラッシュをポップアップ式にしたのは,発光位置をレンズから遠ざけて赤目現象の軽減を狙うとともに,フラッシュの電源の切り忘れを防ぐことを狙っていたといわれているので,このころのフラッシュ内蔵カメラがフラッシュの電源スイッチに配慮していた可能性は低くないと思うのだが,さて,実際はどうなのだろう?
「ローライ35」といえば,コンパクトで高性能なカメラとして,高い評価を得ているシリーズである。その「ローライ35」には,ドイツ製のものとシンガポール製のものとがあり,シンガポール製はコストダウンが進んでいることもあってドイツ製のもののほうが人気が高い。ところがこの「ローライフラッシュ35」は,「ローライ35」とはまったく別のシリーズとなる。製造国はドイツでもなくシンガポールでもなく,裏蓋には「JAPAN」と刻まれている。カメラの名称は「ローライ」で,レンズは「ローライノン」と名乗っているが,この当時,よく見られた日本製のオートフォーカスカメラそのものであると言ってよいだろう。日本カメラショーの「カメラ総合カタログ」では,1980年版のVol.68(昭和55年4月)には記載がなく,1980年版のVol.69(昭和55年10月)には記載がみられることから,1980年夏ころの発売と考えられる。「カメラ総合カタログ Vol. 」を参照すれば,「ローライ フラッシュ35AF」とよく似たカメラが,オリンパス(C-AF),マミヤ(135AF),ミノルタ(ハイマチックAF)から発売されていることがわかる。
実際に使用してみると,シャッターレリーズボタンの半押しだけでフォーカスロックおよびその解除ができるようになっていることから,フォーカスロックのなかったジャスピンコニカ,フォーカスロックができるもののその解除ができなかったヤシカ オートフォーカスやキヤノン オートボーイ(初代)などよりも,ずっと実用的で使いやすいカメラになっている。
そのほか「ローライ フラッシュ35AF」として特徴的なことは,カメラ上面に電源スイッチが存在することだ。電源スイッチかフラッシュのスイッチかがOFFになっていれば,電池の無駄な消耗を防ぐことができる,と考えれば,このようなしくみはシャッターレリーズにロックをつけるよりも安全性が高いと考えることができる。ピッカリコニカが,フラッシュをポップアップ式にしたのは,発光位置をレンズから遠ざけて赤目現象の軽減を狙うとともに,フラッシュの電源の切り忘れを防ぐことを狙っていたといわれているので,このころのフラッシュ内蔵カメラがフラッシュの電源スイッチに配慮していた可能性は低くないと思うのだが,さて,実際はどうなのだろう?