ニコン

ピカイチメイト

Nikon / L135AF

 ニコンのコンパクトカメラ「ピカイチ」シリーズの2代目のモデルである。マニア層にも納得できそうな,「4群5枚構成レンズ」「+2EV露出補正」などの機能を盛りこんだ,どちらかといえば高性能機寄りに企画された初代ピカイチ (Nikon L35AD)に対して,このカメラは機能を簡略化した廉価版として企画されている。初代ピカイチの特徴の1つであるレンズは,3群4枚構成のF3.5にスペックダウンされた。そのほか,内蔵フラッシュのポップアップは手動式となり,さらにAFは3ステップの簡略なものとなった。もちろん,露出補正機能はない。初代ピカイチから大幅にスペックダウンした一方,背の低い,横長の独特のスタイルとなり,赤と黒のカラーバリエーションが用意された。また,「ピカイチメイト」という愛称名が与えられた。
 機能がシンプルであれば,操作もシンプルである。内蔵フラッシュが自動ポップアップではなくなったため,薄暗いときに不意にフラッシュがポップアップしてしまう心配もない。フラッシュの自動ポップアップ機能の省略は,スペックダウンではあるものの,かえって使いやすく感じられる面もある。そうだ,コンパクトカメラは,シンプルなほど使いやすいのだ。そういう思いを強くしてくれる,そんなカメラである。
 フィルム感度は手動設定で,100,400,1000の3段階に切りかえられる。感度設定の「1000」は,コダックから発売されていた超高感度フィルム「VR1000」に対応するためのものであり,この時期のカメラに見られる特徴の1つと言える。


Nikon L135AF, Body No.2103234
撮影レンズ35mm F3.5 3群4枚
露出調節プログラムAE
ピント調節アクティブ式AF 1.2m〜∞ 3ステップ
内蔵フラッシュGN10 (ISO100)電源単3乾電池 2本
発売1984年

Nikon L135AF (35mm F3.5), GOLD200

 レンズは「Nikkor」どころか「Nikon LENS」という名前すら与えられていない,無銘レンズとなっているが,こういう場面であれば,とくに写りに問題を感じることもないだろう。盆灯篭は,安芸地方特有の風習らしく,ホームセンターやコンビニエンスストア,さらには路地裏のタバコ屋さんでも売られていたりする。


Nikon L135AF (35mm F3.5), GOLD200

 商店街のアーケードからつりさげられた巨大なキャラクタ(駒ちゃん)は,撮らずにいられまい。