ニコン

スピードライト

Nikon / SpeedLight

 夜間や室内撮影における補助光として,1950年代までは閃光電球(フラッシュバルブ)というものがよく使われていた。これは一瞬で明るく燃え尽きる電球であり,発光体自身は使い捨てとなる。1960年代以降は,コンデンサに蓄電した電力で放電管を一瞬だけ非常に明るく発光させる「エレクトロニックフラッシュ」がよく使われるようになる。一般的には「ストロボ」とよばれることが多く,ニコンではこれを「スピードライト」とよんでいる。これは,ニコンからはじめて発売された,エレクトロニックフラッシュ(ストロボ)で,グリップ型ストロボである「SB-1」を中心にしたシステムとして発売された。

Nikon Main Light unit SB-1, No.106389
形式グリップ型
光量モノクロ GN40,カラー GN28 (ASA100)
電源AC電源,内蔵Ni-Cd電池
発売1969年2月

 ニコン「スピードライト」は,メインライトユニット「SB-1」というグリップ型「ストロボ」を中心にしたシステムとして発売された。「SB-1」のグリップ部には,Ni-Cd電池「SN-1」を内蔵させられる。
 「SB-1」の光量は,日本カメラショー「カメラ総合カタログVol.44」(1972年)では,「ガイドナンバーはASA100のとき白黒40,カラー28」「照射角度65°,35mmレンズまで使用可能」とある。
 翌1973年の「カメラ総合カタログVol.46」では,クリップオン型の「SB-2」および「SB-3」が掲載されており,「SB-1」を中心とするシステムは,掲載されなくなっている。
 

 充電器兼用のACユニット「SA-1」と接続すれば,Ni-Cd電池に充電して撮影に用いることも,Ni-Cd電池を使わずにAC電源で撮影に用いることもできる。
 電源としてはこのほかに,積層パック「SD-1」「SD-3」,単一パック「SD-2」なども用意されていた。
 
 
 
 
 

Nikon Ring Light unit SR-1
形式リング型
電源メインライトユニットSB-1から電源を得る
発売1969年2月?

 Nikon SpeedLightには,接写時に無影撮影のできるリングライトユニットも用意されていた。
 右の画像は,近距離撮影用のリングライトユニット「SR-1」である。  日本カメラショー「カメラ総合カタログVo.35」(1969年4月発行)にはすでにこれらのシステムが掲載されているため,メインライトユニットや電源ユニットとあわせて,1つのシステムとして一斉に発売されたものと思われる。
 このほか,拡大(マクロ)撮影用のリングライトユニット「SM-1」も用意されていた。
 

 「SR-1」は,「SB-1」から電源を得るようになっていた。