六櫻社

パーレット (昭和10年型後期)

Rokuoh-sha / Pearlette

 127フィルムを4cm×6.5cmのフォーマットで使用する,いわゆるベスト判のカメラである。この種のカメラとしては,KodakのVest Pocket Kodakが有名であるが,その販売終了後に初代のPerletteが発売されている。ここで紹介するPearletteは,「クラシックカメラ専科 No.10」(朝日ソノラマ,1987年)に掲載された「特集1 小西六カメラの歴史」の記事「パーレット」(浅見高史)での分類にしたがうと,昭和10年型後期に相当するものである。
 ピント調整機構はなく,固定焦点式になっている。背面にある焦点深度表によれば,ピントが合う範囲は,F6.3のときに2.7〜12.2mであり,無限遠までピントがあうのはF11まで絞ったとき(2.1m〜∞)になる。最大のF32まで絞ると,1.1m〜∞となる。近接撮影用アタッチメントを使うと,F6.3のときに0.9〜1.2m,F11のときに0.8〜1.4mとなる。

Rokuoh-sha Pearlette, Lens No. 29926
撮影レンズOptor 75mm F6.3
シャッター速度B, 1/25, 1/50, 1/100 (Echo)
絞り6.3〜32
ピント調節固定焦点式,近接撮影用アタッチメントあり
使用フィルム127ロールフィルム 画面サイズ40mm×65mm (ベスト判)
発売1935年〜1937年

127フィルムについて