第6展示室(5)

ピンホールカメラ

pinhole cameras

ピンホールカメラはカメラの原点

 「カメラ」という言葉は「部屋」を意味する言葉に由来している。
 カメラの本質は,光が入りこまないようになっている暗い箱である。ゆえにそれを「暗箱」とよぶこともある。壁の1つにごく小さなピンホール(針穴)をあけると,反対側の壁に外の景色が写る。景色が写っているところにフィルムなどの感光物質を置けば,その光が感光物質に写しとられ,像が物質に固定される。
 ピンホール写真は,ガラスレンズを通らない画像を写しとったものである。少しぼんやりしているところもあるが,これこそ,真の光。ピンホールカメラこそ,カメラの原点である。

いいも悪いもピンホール次第

 理想的なピンホールは,限りなく薄い材料に,限りなく小さい,限りなく真円に近いものである。ピンホールを自作する人たちは,薄いアルミ板やアルミ箔などを利用するようだ。
 ピンホールを通った光による像は,レンズを通ってきた像にくらべると鮮明ではない。そのかわり,ピント調整というものが必要ではなくなる。また,ピンホールはきわめて小さいために,露光時間はある程度の長さが必要になる。そのため,精密なシャッターも必要ない。複雑なメカニズムが必要ないため,カメラを自作するということも比較的容易になる。
 ピンホールカメラを自作した場合,どれくらいの範囲が写るのか,どれくらいの露光を与えればよいのかは,実際に撮影して確かめるしかない。

学研「大人の科学マガジン」付録ピンホールカメラ

Gakken / Pinhole Camera


ウェルミーフレックス改造ピンホールカメラ

Pinholeflex (reconstructed Welmyflex)