ミノルタ

ポケット・オートパック70

minolta / POCKET AUTOPAK 70

 ポケットカメラとしては典型的な,横長のカメラである。このカメラは電子シャッターによって,10秒の長時間露光から1/330秒までの広い範囲のシャッター速度をもつ。ピント調整は目測のゾーンフォーカス式で,カメラ上面のレバーによっておこなう。また,ファインダー内でもピントの目盛を確認することができるようになっている。110判カメラというと,シャッター速度もピントも固定で,絞りはお天気マークで3段くらいに調整できる,というタイプの簡略化されたものも目立つが,これはミノルタで最初の110判カメラのようで,それなりにきちんと作りこまれているように思われる。
 カメラの底面には三脚のネジ穴があり,シャッターレリーズボタンの横にはケーブルレリーズを使うためのネジ穴が用意されている。さらに,クローズアップレンズが内蔵されており,最短37cmまでの接写が可能であると,カタログ(「カメラ総合カタログ Vol.54」,日本カメラショー,1975年)に記載されている。カメラ底面の表の記載によれば,通常は∞〜0.9mの範囲が撮影可能であるが,クローズアップレンズを使用したときには,ピント位置を3.5mに設定したときに,0.5mのところにピントが合うことになっているようだ。

電源は,Kサイズという水銀電池パックを使用する。この電池は,代替品も含めて,現在(2007年3月)は製造されていない。

minolta POCKET AUTOPAK 70, Body No. 321670
撮影レンズROKKOR 36mm F3.5
シャッター速度電子シャッター 10〜1/330 プログラムAE
フラッシュ撮影マジキューブを使用 シャッター速度 1/40 フラッシュマチック
ピント調節目測式 0.9m〜∞
使用フィルム110カートリッジ
発売1974年