ペンタックス

ズーム70S

PENTAX / ZOOM70S

 コンパクトカメラには,自動露出,フラッシュ内蔵,そしてオートフォーカスという機構が内蔵され,誰にとってもできるだけ簡単な操作で,確実に写真が撮れるように進化してきた。また,レンズ交換の機能をもたないことを補うためには,専用のフロントコンバージョンレンズが用意されたり,テレコンバータを内蔵した「2焦点カメラ」という形になったりしたが,扱いが面倒だったり,カメラが大きくなってしまうわりには効果が目立たないものだったりするものだった。その後,コンパクトなズームレンズが内蔵されるようになってようやく,コンパクトカメラで望遠レンズや広角レンズの効果をお手軽に楽しめるようになった。
 コンパクトカメラにズームレンズがはじめて内蔵されたのは,フジのFLASH FUJICA Zooom Date(1978年10月)とされるが,まだズームレンズ自体が大きなもので,また,ピント調整が目測式であった。オートフォーカスも実現したズームレンズを内蔵して市販されたカメラは,1986年12月に発売されたPENTAX Zoom70がさいしょのものとされている。ここで紹介するカメラは,1988年にPENTAX ZOOM 70の機能をアップして発売された後継機であるPENTAX Zoom70Sである。シャッター速度が1/40秒までだったのが1/5秒までになったことや,フラッシュの発光禁止ができるようになったところがおもな変更点である。
 その後,「Zoom」シリーズは何機種かが発売されることになり,たとえばスタイルが大きく変わったPENTAX Zoom70Rなどがある。

PENTAX ZOOM70S, Body No.
撮影レンズPENTAX Zoom LENS 35mm F3.5〜70mm F6.7 6群7枚
露出調節プログラムAE
ピント調節赤外線アクティブAF
1m〜∞,マクロ時0.6m〜1m
内蔵フラッシュ自動発光,日中シンクロ,発光禁止可能電源CR-P2リチウム電池1本または単4型乾電池4本
発売1988年2月