ペンタックス

エスピオ200

PENTAX / ESPIO 200

 望遠レンズを使えば,遠くのものを大きく写せるので,その効果がだれにもわかりやすい。たとえば運動会や発表会などで,遠くにいる自分の子を大きく写したいと考える人は,多いだろう。レンズ交換のできないコンパクトカメラで望遠レンズによる撮影を実現できるようにするには,レンズをズームレンズにする方法がある。PENTAXのESPIOシリーズでは,1994年のエスピオ140で38mmから140mmをカバーするようになり,1996年のエスピオ160では38mmから160mmをカバーするようになった。そして1998年に発売されたこのエスピオ200では,とうとう200mmまでをカバーするようになった。そのかわり,最短の焦点距離は48mmであり,これはとても広角レンズとはよべないレベルである。標準域から超望遠域に特化した,ある意味,特殊なモデルであり,万能なモデルではないと考えたい。
 200mmともなれば,もはや本格的な望遠レンズである。撮影時には,手ブレにじゅうぶん気をつける必要がある。三脚を使うにしても,「割箸三脚」などと揶揄されるようなコンパクトなものではなく,それなりに頑丈なものを使うのが好ましいレベルだ。また,開放F値はF13(200mm時)で,まさに暗黒ズームである。手ブレだけなら三脚で抑えられるが,被写体ブレを軽減することも考えると高感度フィルム(ISO400程度ではなく,ISO800以上のもの)を使うのが必須といえるだろう。このカメラの200oという焦点距離は,いわゆるコンパクトカメラ(フルオートのレンズシャッターカメラ)に内蔵されたレンズとして最長焦点距離のものとなった。その後,フィルムカメラのラインアップは全体的に縮小していき,200mmより焦点距離の長いレンズを搭載したコンパクトカメラは登場しなかった。


PENTAX ESPIO 200, No.2188183
撮影レンズSMC PENTAX ZOOM LENS 48mm-200mm F5.1-13
露出調節プログラムAE,バルブ撮影,多重露出可能。
ピント調節5点測距パッシブAF方式 0.8m(48mm),1.2m(200mm)〜∞
内蔵フラッシュ自動発光 発光停止可能電源CR123Aリチウム電池 1本
発売1998年5月