コニカ

現場監督 ズーム

Konica / GENBAKANTOKU Zoom

 コニカ「現場監督」は,工事現場での記録写真の撮影をおもな用途としたカメラのシリーズである。初代「現場監督」は40mm F3.5レンズつきで1988年に発売され,つづいて60mm F5.6レンズに切り替え可能な2焦点式の「現場監督DD」が発売されている。1990年には28mm F3.5レンズつきの「現場監督28」,1992年には28mm F3.5レンズ付きの「NEW現場監督」にモデルチェンジされ,1993年には35mm F3.5レンズつきの「NEW現場監督」が発売されている。ここまでの機種は,JIS保護等級4の「防沫形」防水性能がもたされていた。1994年には防水性能がJIS保護等級7の「防浸形」になった「現場監督28WB」(28mm F3.5),「現場監督WB」(35mm F3.5)が発売され,つづいて大光量フラッシュを内蔵した「現場監督28HG」(28mm F3.5)が発売されている。そのほか,特別仕様の製品も出荷されているようだ(*1)。たとえば,GPSを搭載した,「コニカLandMaster」という製品も発売されている。
 「現場監督」は,取扱説明書に「工事専用カメラ」と記載されているように,工事現場での記録写真をおもな用途として考えられている。工事現場での使用に耐えられるように,防水性能や耐久性を考慮されているが,その本質はフルオートのコンパクトカメラである。したがって,一般の用途でも問題なく使え,レジャー用途によってはその防水性や耐久性が大きなメリットになることもあるだろう。そう考えれば,ズームレンズのモデルが発売されるのも,当然の流れである。
 コニカ「現場監督ズーム」は,1996年に発売された。オートデート機構つきモデル(2019年まで対応,59,000円)と,オートデート機構のないモデル(56,000円)とが用意されていた。JIS保護等級7という防水性能は,「意味・定められた条件で水中に没しても内部に水が入らないもの,試験・水面下1mで30分水中に放置」(*2)とのこと。ズームレンズは,28mm F3.5〜56mm F6.7というもので,じゅうぶんな広角域から少し長めの標準域をカバーしている。コンパクトカメラとしては,とても使いごろの焦点域である。長焦点側がF6.7とやや暗いが,コンパクトカメラのズームレンズとしてはじゅうぶんな明るさを確保しているほうだろう。内蔵フラッシュはGN21のもので(*3),カメラに内蔵されたものとしてはかなりの大光量のものである。

 「現場監督ズーム」につづく「現場監督」は,130万画素の撮像素子をもつディジタルカメラ「コニカDIGITAL現場監督」として,1998年に発売された。さらに2002年には撮像素子が200万画素クラスになった「コニカ DIGITAL現場監督 DG-2」に発展する。その間,2001年には「現場監督28WB ECO」「現場監督35WB ECO」が発売された。さらに2003年にはそのブラックバージョンが発売されて,それがフィルムカメラとしては最後の「現場監督」になったようである。ディジタルカメラの「現場監督」も,撮像素子が300万画素クラスのコニカ「DIGITAL現場監督 DG-3Z」に発展した。ミノルタと合併してコニカミノルタになった後も2004年に「DIGITAL現場監督 DG-4W」,2005年に「DIGITAL現場監督 DG-5W」が発売されている。

Konica 現場監督ズーム, No.2029602
撮影レンズKonica Zoom Lens 28mm F3.5〜56mm F6.7 5群6枚
露出調節プログラムAE シャッター速度:3秒〜1/360秒
ピント調節アクティブAF 0.8m〜∞
内蔵フラッシュGN21 (ISO100)電源2CR5リチウム電池 1本
その他JIS保護等級7 (防浸形)
発売1996年12月



*1 http://www.konicaminolta.jp/about/research/technology_report/1995/pdf/30.pdf

*2 http://www.kenko-tokina.co.jp/konicaminolta/support/manual/ls/genzooj0.pdf

*3 http://www.konicaminolta.jp/about/research/technology_report/1998/pdf/20.pdf