コニカ

カンパイ

Konica / KANPAI

 固定焦点,自動露出の簡便なカメラである。このカメラの最大の特徴は,音声に反応してシャッターがレリーズされる「ボイスレリーズ」機構を内蔵している点である。レンズカバーを開いて電源をONにした後に,レンズに向かって左側のスライドスイッチを上にあげると,ボイスレリーズモードになる。このとき,周囲の音の大きさに応じて,3色のLEDによるレベルメーターが表示され,メーターが振りきれるとシャッターが切れるようになっている。なお,反応する音声のレベルは,3段階に切り替えることができる。ボイスレリーズ機構でシャッターを切ると,カメラが少し首を振り,自動的に広い範囲を撮影できるようになっている。この首振りは,一定の角度で振れるものであり,決して音のする方を向いてくれるというような,賢いものではない。この機構を利用するための専用三脚が付属しており,専用のケースに収められるようになっている。また,この三脚には,専用の「靴」を履かせられる(本来,この「靴」は2個付属しているのだが,入手した時点で1個が失われていた)。パーティー会場での使用にふさわしい,遊び心に富んだカメラだと言えるが,実用性については疑問が大きい。
 ピント調整が不要の,固定焦点式になっている。ボイスレリーズ機構を使用しないときの最短撮影距離は1.1m,ボイスレリーズ機構を使用するときの最短撮影距離は0.9mとなっている。なお,通常のビューファインダーのほか,カメラ上面から見ることのできるファインダーも用意されている。
 露出調整はプログラムAEである。フラッシュは自動発光するが,発光禁止を指定することも可能だ。なお,フラッシュを使用しない場合,最長1秒までの長時間露光が可能になっている。三脚が付属しているからこそこの仕様には大きな意味があるわけだが,このクラスのカメラにそこまで必要であろうか?カメラとしての性能面では,妙なところで凝っているようだ。そこが,コニカらしいというか,なんというか。


Konica KANPAI, Body No.
撮影レンズKonica LENS 34mm F5.6 3群3枚
シャッター速度1〜1/200
絞りF8〜F16
露出調節プログラムAE
ピント調節固定焦点 1.1m〜∞,ボイスレリーズ機構使用時は0.9m
内蔵フラッシュGN14 (ISO100)電源2CR5リチウム電池 1個
発売1989年11月