カメラにフラッシュを内蔵させ,大ヒット商品となった「ピッカリコニカ」の初代モデルである。このカメラの最大の特徴は,エレクトロニックフラッシュ(スピードライト,ストロボ)を内蔵させることで,室内などでの撮影が容易になったことにある。内蔵エレクトロニックフラッシュは,発光部をポップアップさせることで電源ONになる。使用後の電源の切り忘れと,赤目現象軽減に効果のある,工夫された機構である。エレクトロニックフラッシュを内蔵させたカメラとして「世界初」の栄誉は,フォクトレンダ社の「ビトローナ」に譲ったが,カメラにエレクトロニックフラッシュが内蔵されるのが広まったのは,「ピッカリコニカ」以降のことである。「ピッカリコニカ」は,まさにエポックメイキングなカメラである。 「ピッカリコニカ」のピント調節は目測式だが,ファインダー内にも距離目盛が表示されるようになっている。また,露出はプログラムAEでシャッター速度は1/60, 1/125の2段階だが,ファインダー内には露出計の指針があり,設定される絞り値が確認できるようになっている。また,ファインダー内には,ピントリングに連動した距離指標があり,現在,どの距離にあわせてあるかを確認できる。 「ピッカリコニカ」は,発売1年後に改良型が発売された。改良型ではセルフタイマーが内蔵され,シャッター速度に1/250secが加わっている。外見上は,セルフタイマーレバーの有無で区別できる。ここで紹介したカメラは,改良前の「初代」モデルである。
プログラムAE方式,目測式ピント調整というスペックは,今となってはまったく魅力的なものではない。では,このカメラが,使いにくいつまらないものかといえば,そんなことはない。最近の「かしこいカメラ」とは違って,機械式のシャッターレリーズボタンはシャッターの切れるタイミングがわかりやすく,撮っていてストレスを感じない。また,目測式ピント調整というものは,正確性には問題があるものの,自分が意図したところにピントをあわせることが可能である。実際にピントをどこにどうあわせているかがわかりにくいAF式コンパクトカメラよりも,信頼性が高いと考えることもできる。 カメラ本体での最短撮影距離は1mであるが,およそハガキ2枚分のサイズを接写できる,「フラッシュクローズアップ」というオプション品が用意されていた。
コニカC35EF(初代ピッカリコニカ),C35AF(初代ジャスピンコニカ)専用のクローズアップレンズである。カメラの前にこの装置を取りつけ,3本のロッドアンテナ状の棒を伸ばして使用する。撮影時は,ピントを最短距離(C35EFは1mにあわせる,C35AFは自動的に1.1mになる)にし,フラッシュをONにする。3本の棒の先端で囲まれる長方形(230mm×155mm)が写る範囲であり,ピントのあう面になる。そのためファインダーを覗かなくても,撮影ができるというメリットも生じる。ピントが最短距離で,フラッシュをONにして撮影するので,絞りはほぼ最小絞りになる。そのため,被写界深度は十分に確保され,ピントもほぼあうことになる。そのかわり,背景のボケの描写には多くを望めない。光量は,フラッシュにより十分に確保されているが,被写体の状況によっては,反射が気になることもある。
このほか,「コニカおもしろレンズ」というオプション品もあったようだ。コニカC35AF(初代ジャスピンコニカ)の項目を参照。
カメラにフラッシュを内蔵させ,大ヒット商品となった「ピッカリコニカ」の初代モデルである。このカメラの最大の特徴は,エレクトロニックフラッシュ(スピードライト,ストロボ)を内蔵させることで,室内などでの撮影が容易になったことにある。内蔵エレクトロニックフラッシュは,発光部をポップアップさせることで電源ONになる。使用後の電源の切り忘れと,赤目現象軽減に効果のある,工夫された機構である。エレクトロニックフラッシュを内蔵させたカメラとして「世界初」の栄誉は,フォクトレンダ社の「ビトローナ」に譲ったが,カメラにエレクトロニックフラッシュが内蔵されるのが広まったのは,「ピッカリコニカ」以降のことである。「ピッカリコニカ」は,まさにエポックメイキングなカメラである。
「ピッカリコニカ」のピント調節は目測式だが,ファインダー内にも距離目盛が表示されるようになっている。また,露出はプログラムAEでシャッター速度は1/60, 1/125の2段階だが,ファインダー内には露出計の指針があり,設定される絞り値が確認できるようになっている。また,ファインダー内には,ピントリングに連動した距離指標があり,現在,どの距離にあわせてあるかを確認できる。
「ピッカリコニカ」は,発売1年後に改良型が発売された。改良型ではセルフタイマーが内蔵され,シャッター速度に1/250secが加わっている。外見上は,セルフタイマーレバーの有無で区別できる。ここで紹介したカメラは,改良前の「初代」モデルである。
Konica C35EF (Hexanon 38mm F2.8), GOLD100
プログラムAE方式,目測式ピント調整というスペックは,今となってはまったく魅力的なものではない。では,このカメラが,使いにくいつまらないものかといえば,そんなことはない。最近の「かしこいカメラ」とは違って,機械式のシャッターレリーズボタンはシャッターの切れるタイミングがわかりやすく,撮っていてストレスを感じない。また,目測式ピント調整というものは,正確性には問題があるものの,自分が意図したところにピントをあわせることが可能である。実際にピントをどこにどうあわせているかがわかりにくいAF式コンパクトカメラよりも,信頼性が高いと考えることもできる。
カメラ本体での最短撮影距離は1mであるが,およそハガキ2枚分のサイズを接写できる,「フラッシュクローズアップ」というオプション品が用意されていた。
コニカC35EF(初代ピッカリコニカ),C35AF(初代ジャスピンコニカ)専用のクローズアップレンズである。カメラの前にこの装置を取りつけ,3本のロッドアンテナ状の棒を伸ばして使用する。撮影時は,ピントを最短距離(C35EFは1mにあわせる,C35AFは自動的に1.1mになる)にし,フラッシュをONにする。3本の棒の先端で囲まれる長方形(230mm×155mm)が写る範囲であり,ピントのあう面になる。そのためファインダーを覗かなくても,撮影ができるというメリットも生じる。ピントが最短距離で,フラッシュをONにして撮影するので,絞りはほぼ最小絞りになる。そのため,被写界深度は十分に確保され,ピントもほぼあうことになる。そのかわり,背景のボケの描写には多くを望めない。光量は,フラッシュにより十分に確保されているが,被写体の状況によっては,反射が気になることもある。
Konica C35EF (HEXANON 38mm F2.8) with Flash Close-up, GOLD100
このほか,「コニカおもしろレンズ」というオプション品もあったようだ。コニカC35AF(初代ジャスピンコニカ)の項目を参照。