チノン

ターボ (AUTO GX)

CHINON / AUTO GX

 モーターによる自動巻き上げ機構を内蔵した,固定焦点タイプのカメラである。
 正面からカメラを見たとき,ファインダーの両側に黒い部分がある。そのため,よくあるオートフォーカスのカメラにも見えるが,正面にある「FOCUS FREE」という文字からわかるように,固定焦点式である。
 また,レンズの下に,受光素子の窓がある。そのため,露出が自動的に制御されているようにも見えるが,シャッター速度は1/125秒だけで,選択はできない。絞りは,フラッシュのON/OFFとフィルム感度の設定に応じて3段階に切りかわるようになっており,露出が自動的に制御されているわけではない。受光素子は,フラッシュの使用をうながすインジケータのために使われているようである。
 見た目は標準的なフルオートのカメラに見えるが,機構の面ではずいぶんと簡便なものになっている。標準価格は25,800円(日本カメラショー「カメラ総合カタログ vol.87」,1986年)であり,一般的なオートフォーカス式のフルオートカメラにくらべるとずいぶんと安価であるが,手動巻き上げ式の簡便なカメラほど安価なわけでもなく,機構の面をふまえると割高に感じられ,中途半端な存在という印象を受ける。

CHINON AUTO GX, No.405931
撮影レンズCHINON LENS 35mm F4.5 3群3枚
シャッター速度機械式 1/125秒
絞りF4.5,F8,F16
露出調節固定(フィルム感度設定に連動)
ISO 100/200,フラッシュON:F4.5(開放)
ISO 100/200,フラッシュOFF:F8
ISO 400/1000,フラッシュON:F8
ISO 400/1000,フラッシュOFF:F16
内蔵フラッシュGN10 (ISO100・m)電源単3乾電池 2本
ピント調節固定 1.3m〜∞
発売1986年