ミノルタ

ハイマチック7

MINOLTA / Himatic 7

 このカメラは,大口径F1.8のロッコールレンズを搭載し,露出計や二重像合致式連動距離計も内蔵した,レンズシャッター式カメラの高級機と言える。ファインダーはブライトフレーム式で,パララクスも補正される。露出計もファインダー内で確認できるが,EV表記になっており,絞りやシャッター速度を直接読み取ることはできない。自動露出のときは,気にせず使えばいいのだろうが,マニュアル露出のときは,シャッター速度や絞りの位置によって鏡胴に表示されるEV値を見てあわせることになる。
 シャッター速度と絞りには,それぞれに「A」のポジションがある。取扱説明書を持っていないため,この部分の使い方をメーカーに問い合わせたところ,それぞれを「A」にすることで,絞りとシャッター速度の両優先自動露出カメラとして使用できるとのことであった。実際に試してみると,被写体の明るさに応じて,シャッター速度と絞りがそれぞれ変化しているように見える。絞りのみを「A」にした場合,シャッター速度優先AE的な動作をするように見えるが,シャッター速度のみを「A」にしても,絞り優先AE的な動作はしていないようだ。さすがに,「マルチモードAE」とまではいかないようである。


Minolta Himatic 7, Body No.No.154889
撮影レンズROKKOR-PF 45mm F1.8
シャッター速度A,B,1/4 〜 1/500
絞りA,1.8 〜 22
ピント調節二重像合致式距離計連動 0.9m〜∞
発売1965年

Minolta Hi-matic 7 (ROKKOR-PF 45mm F1.8), GOLD100

 大口径レンズを搭載し,マニュアル露出も自動露出も可能なカメラである。スペック的には,たいへん魅力的なカメラである。そして,実際に撮影してみると,非常にきれいに写る,素晴らしいカメラである。さらに,ファインダーや距離計は,たいへん見やすい。しかし,シャッターレリーズボタンのストロークは,思ったよりも深く,また動作も重い。そのため,トータルでは使い心地が「悪い」と言わざるを得ない。
 スペック的には魅力的であると言うものの,当時の一眼レフカメラと比較すれば小型で軽いカメラだったのかもしれないが,現代の感覚で見れば,このカメラはあまりに重いのである。いかに魅力的名カメラであるとは言え,一眼レフカメラに対するアドバンテージはほとんどない。そのように考えれば,このカメラを使う必然性は,薄いものとなってくる。
 しかしながら,このレンズの魅力はあまりに大きい。結局,こういうカメラこそが「写していて楽しくなる」カメラなのかもしれない。大きく重いことや,レンズの焦点距離などがマニア好みではないようで,また,数も多いことから,できるだけ安価に入手して楽しみたいものである。