フジ

フジカGER

FUJI / FUJICA GER

 裏蓋についた,フィルム確認用の窓・・・・今ではあたり前のものだが,35mmフルサイズカメラでこれが最初につけられたのは,フジカGEと,その上位機種にあたるGERである。GERは,GEと異なり,セルフタイマーと二重像合致式連動距離計を内蔵している。このカメラには,失敗のない撮影を目指して,さまざまなインジケータが搭載されている。低輝度時には,軍艦部およびファインダー内にランプが点灯して警告してくれる。フィルムカウンタの横には,フィルム巻き上げインジケータがあり(巻き上げていないとき緑,巻き上げると赤),背面にはフィルムがきちんと給送されていることを示すインジケータがある。小型ながら,なかなか気のきいたカメラと言える。

FUJICA GER, BODY No.7022283
撮影レンズFUJINON 38mm F2.8
露出調節プログラムAE F2.8 4sec 〜 F13 1/800sec
ピント調節2重像合致式距離計連動 0.9m〜
発売1974年

FUJICA GER (FUJINON 38mm F2.8), GOLD200

FUJICA GER (FUJINON 38mm F2.8), V100

 いわゆるコンパクトカメラは,思ったところにピントを合わせることが難しいところに不満がある。AF式ならば,たしかに「どこか」にピントを合わせてくれるが,それがどこなのか,確認する術はない。目測式ならば,大外しすることはないとしても,どうしても「おおよそ」のピント合わせになってしまう。その点,2重像合致式の連動距離計が内蔵されていれば,ピントを合わせたいところへピントを調整することができる。このカメラは,2重像合致式の距離計に連動したカメラとしては,かなり小型軽量のものとして分類できるだろう。この点は,このカメラの大きな魅力となり得る。レンズの開放F値はF2.8で平凡なものであるが,無理に明るいレンズを搭載していないことから,全体に小型化が実現できているのだろう。これで露出が,絞り優先式AEであれば,今でも高く評価されることになったと思うのだが・・・・・。肝心の写りに関しては,クリアで好ましいものである。