タムロン

95mm-205mm F6.3

TAMRON / 95mm-205mm F6.3

 タムロンからは発売された,さいしょのズームレンズである。マウントは,ネジこみ式の交換式,Tマウントになっているので,マウントアダプタを入手すればさまざまなマウントのカメラで使えることになる。日本カメラショー「カメラ総合カタログ」では,vol.9(1962年)あたりから掲載が見られる。ここに掲載されていた他社のズームレンズとしては,ビューティーのZoom BIOKOR 50-100m F3,ミノルタのAUTO ZOOM ROKKOR 80-160mmm F3.5,ニコンのAUTO NIKKOR TELE-PHOTO ZOOM 85-200mm F4-4.5と200mm-600mm F9.5-10.5があるくらいで,(ビューティーのレンズは実際には発売されなかったようなこともあり)そもそもズームレンズとしてごく初期に発売されたもののうちの1本であるともいえる。開放F値がF6.3と,ほかのレンズよりもかなり暗いこともあって,鏡胴はとても細いものに感じられる。ピント調整は前玉回転式,ズーム方式は直進式となっており,最長焦点距離の205mm時に最短撮影距離1.8mにすると,とても細長く感じるようになる。

TAMRON 95-205mm F6.3, No.379397
焦点距離95mm-205mm 口径比4
レンズ構成6群7枚
マウントTマウント
発売1962年

Kodak DCS Pro 14n, TAMRON 95-205mm F6.3

 初期のズームレンズということで,描写にはあまり期待していなかった。しかし,実際に撮ってみると想像以上に問題を感じない描写で,とくに遠方のボケ具合があまりにもすなおである。開放F値をよくばっていないことが影響しているのではないかと思われる。