ペンタックス

SMCペンタックスMズーム 28-50mm F3.5-4.5

PENTAX / SMC PENTAX-M ZOOM 28-50mm F3.5-4.5

 ペンタックスMシリーズの時代に発売された,コンパクトな広角ズームレンズである。広角側が28mmまでカバーしていることは大きな魅力である。
 日本カメラショー「カメラ総合カタログ」では,(1977年版vol.58には掲載されておらず,)1978年版あたりから掲載がある。たとえばvol.61では,「…超小型・軽量の全長可変式2群タイプの新発売ワイドズームレンズ…」と紹介されており,このころ発売されたことがうかがえる(この号に掲載の情報については「昭和53年3月2日現在の価格」という説明がある)。なお,ここでは最短撮影距離が2mであると記載されているが,現物は0.6mまで目盛があり,ヘリコイドをそこまで繰り出してピントをあわせることができている。距離目盛は,メートル単位のものとフィート単位のものとが併記されているので,ここでの「最短撮影距離2m」というのは,フィート目盛と見誤ったことによる誤記だと思われる。

 ペンタックスMシリーズのカメラは,1976年に発売されたPENTAX MXとPENTAX MEからはじまる。これらが発売された当初の日本カメラショー「カメラ総合カタログ」vol.58(1977年)におけるズームレンズのラインアップは,つぎの4本である。
 45-125mm F4
 85-210mm F3.5
 85-210mm F4.5
 135-600mm F6.7(開放測光不可)

 日本カメラショー「カメラ総合カタログ」vol.61(1978年)におけるズームレンズのラインアップは,つぎの4本にかわっている。
 28-50mm F3.5-4.5
 45-125mm F4
 80-200mm F4.5
 135-600mm F6.7(開放測光不可)
 ここにある80-200mm F4.5も同時期の新製品のようで,「従来の…85-210ミリF4.5に替わる新設計の…小型望遠ズームレンズ…」と紹介されている。

 この28-50mm F3.5-4.5は,日本カメラショー「カメラ総合カタログ」では,vol.84(1985年)まで掲載があった。そのときのズームレンズのラインアップは,つぎのようになっていた。
 M 24-35mm F3.5
 A 24-50mm F4
 M 28-50mm F3.5-4.5
 A 28-80mm F3.5-4.5
 A 28-135mm F4
 A 35-70mm F4
 A 35-105mm F3.5
 M 40-80mm F2.8-4
 A 70-210mm F4
 M 75-150mm F4
 135-600mm F6.7
 Reflex 400-600mm F8-12
 このように,広角側が24mmに広がったモデルや,広角側が28mmのズームレンズの望遠側が80mmに広がったモデルなどにおきかわっていったようである。それでも発売当時は,28mmをカバーするズームレンズはまだ少数派であり,その小型軽量さをあわせて,いまいちど楽しんでみたいレンズである。

 
SMC PENTAX-M ZOOM 28-50mm F4, No.7812256
焦点距離28-50mm 口径比3.5-4.5
レンズ構成10群10枚
最短撮影距離0.6m
マウントKマウント
発売1978年ころ