オオサワ

35-105mm F3.5-4.5

OSAWA / 35-105mm F3.5-4.5 (for Nikon Ai)

 大沢商会は,明治時代から続く商社で,時計,自動車をはじめとするいわゆる高級品を多く扱ってきた。昭和に入り,ベル・ハウエル社のムービーカメラや映写機なども扱うようになるなど,カメラ・写真とのかかわりもできてくる。戦後には,東京光学(トプコン)やマミヤとのつながりもできた。しかし,1984年に大沢商会は倒産し,この影響で当時のマミヤ光機も連鎖倒産という事態になった。大沢商会はその後に再建し,現在でも時計,宝飾品,ゴルフ用品などを扱っている。マミヤも再建し,釣り具のオリムピックと合併して「マミヤ・オーピー」となって,中判カメラ,中判デジタルカメラなどの製品を送り出してきたが,「マミヤデジタルイメージング」を経て「フェーズワン」に事業を買収されたため,「マミヤ」という名前がカメラ業界に残っていない。

大沢商会は,「オオサワ」ブランドの交換レンズを発売しており,倒産前の1980年代前半には日本カメラショー「カメラ総合カタログ」に掲載されていた。たとえば,vol.79(1984年3月)には12本のレンズが掲載されている。

このうち,35-105mm F3.5-4.5は,vol.76(1983年3月)でも掲載を確認できる。説明文中では「オオサワ独自の4群ズーム方式」をアピールしている。そのために「クラス世界最小の軽量コンパクトを実現」とのことだが,実際に手にしたときにコンパクトなレンズであるという印象をもつのは間違いない。ズームの操作は直進式だが,手前のリングを回転することで,最大で1/4倍のマクロモードになる。このような繰り出し式のマクロ機構は,正直なところ使い勝手がよいとは感じないが,非常用としてはあると便利かもしれない。

OSAWA MC 35-105mm F3.5-4.5 MACRO, No.3542109
焦点距離35-105mm 口径比3.5-4.5
レンズ構成11群13枚
マウントNikon Ai(カニ爪あり)
発売1983年頃