ビビター

XC-3

Vivitar / XC-3

 「Vivitar」はアメリカのカメラ関係のブランドである。このカメラは,日本のコシナ(COSINA)からOEM供給されたもので,底に「MFG BY COSINA JAPAN」という文字が刻まれている。コシナのブランドでは「CSR」というモデルに相当するようだ。自動絞りレンズ対応マウント,電子制御横走り布幕シャッター,絞りこみ測光のTTL露出計を内蔵したM42マウントとしては使いやすいカメラである。なお,電池が消耗しているとき,シャッターが正常に動作しているように見えるが,実際には幕が開いておらず露光しないので注意が必要である。なお,シャッター速度ダイアルのMおよびBは機械制御になっており,電池が消耗していても露光が可能である。
 自動絞りレンズ対応のため,シャッターレリーズボタンのストロークは非常に長い。まず,半ばまで押したところでレンズが絞りこまれ,さらに残りの半ばまで押しこむと,露出計がONになる。さらに押しこむとシャッターが動作するが,この部分の動作は軽快である。露出計は3点LED(− ○ +)表示で読み取りやすい。

 Vivitar XC-3のオプション品として,外付けのAEコントロールユニット(XC-A)が用意されている。この装置を取りつけると露出計がONのときに,XC-Aに内蔵のサーボモーターがシャッター速度ダイアルを回し,自動的に適切なシャッター速度を選択してくれる。これによって,絞り優先AEカメラとして使えるようになっている。この絞り優先AEは,1/8〜1/1000秒の範囲で連動する。Vivitar XC-3は,コレクション的に見ればこのXC-Aがなければ,意味が激減する。XC-Aがない(あっても動作しない)XC-3は,M42マウントを採用したやや時代遅れのごく平凡なカメラに過ぎないのだ。ただ,XC-Aの実用性には疑問符がつくところもあるので,実用品として使うなら,XC-Aはなくてもよいだろう。XC-3単体では,コンパクトで使いやすいM42マウント一眼レフカメラだと思う。

Vivitar XC-3 (COSINA CSR), No.9820512
シャッター電子制御横走り布幕
シャッター速度B,M,4〜1/1000スピードライト同調1/60sec,X
露出計TTL測光露出モードマニュアル オプション装置(XC-A)取りつけで絞り優先AEも可能
マウントM42マウント
発売1976年ころ