ゼニットEは,旧ソ連製のもっともポピュラーな一眼レフカメラである。クリックリターンミラーになっているが,自動絞りをもたず,内蔵露出計は外光式となっている。ゼニットEは製造台数も多く,輸出も盛んにおこなわれたようで,このメプロゼニットEは,日本向けに輸出されたものである。標準レンズとして日東光学の「コミナー」レンズ(MEPRO-KOMINAR 55mm F2.8)を装着し,スーパーマーケット「ダイエー」で,当時1万円ほどの低価格な一眼レフカメラとして販売されたようだ。この時期に低価格を武器にしていた「ペトリV6F2」(55mm F2レンズ付き,露出計なし)が\23,800だったことと比較すれば,この価格はまさに驚異的だっただろう。 上面から見ると,シャッター速度ダイアル軸が,シャッターの動きにともなって回転するしくみであることがわかる。「ゼニット」を製造していたKMZは,ライカコピー機として有名な「ゾルキー」シリーズを生産していた工場であることから,これは「ゾルキー」をベースにつくられたものであると推定できる。そのためか,低速シャッターに対応していない。メカニズム的には,当時としても時代遅れな面が強いカメラであるが,家庭のスナップ写真などに使うには十分すぎる性能だっただろう。そして,「マニュアル式カメラって,こんなに簡単に使えるのか。」などと感じたのではないだろうか。 なお,以前ダイエーに問い合わせたところ,当時の資料が残っていないとのことで,具体的な販売価格や数量など詳細はわからないようであった。
ゼニットEは,旧ソ連製のもっともポピュラーな一眼レフカメラである。クリックリターンミラーになっているが,自動絞りをもたず,内蔵露出計は外光式となっている。ゼニットEは製造台数も多く,輸出も盛んにおこなわれたようで,このメプロゼニットEは,日本向けに輸出されたものである。標準レンズとして日東光学の「コミナー」レンズ(MEPRO-KOMINAR 55mm F2.8)を装着し,スーパーマーケット「ダイエー」で,当時1万円ほどの低価格な一眼レフカメラとして販売されたようだ。この時期に低価格を武器にしていた「ペトリV6F2」(55mm F2レンズ付き,露出計なし)が\23,800だったことと比較すれば,この価格はまさに驚異的だっただろう。
上面から見ると,シャッター速度ダイアル軸が,シャッターの動きにともなって回転するしくみであることがわかる。「ゼニット」を製造していたKMZは,ライカコピー機として有名な「ゾルキー」シリーズを生産していた工場であることから,これは「ゾルキー」をベースにつくられたものであると推定できる。そのためか,低速シャッターに対応していない。メカニズム的には,当時としても時代遅れな面が強いカメラであるが,家庭のスナップ写真などに使うには十分すぎる性能だっただろう。そして,「マニュアル式カメラって,こんなに簡単に使えるのか。」などと感じたのではないだろうか。
なお,以前ダイエーに問い合わせたところ,当時の資料が残っていないとのことで,具体的な販売価格や数量など詳細はわからないようであった。