キヤノン

FTb

Canon / FTb

 キヤノンの一眼レフカメラが開放測光を採用するのは比較的遅く,1971年のF-1が最初である。このときレンズ群も,それまでのFLレンズ群から,開放測光に対応したFDレンズ群に一新された。FTbは,F-1の下位モデルとして同年に発売された。なお,ここで紹介するボディは,1973年に発売されたマイナーチェンジモデル(通称 FTB-n)である。大きな変更点は,設定したシャッター速度をファインダー内確認できるようになったところにある。
 追針式の露出計は,扱いやすい。ファインダー内にシャッター速度が表示されることも,操作性のよさにつながっている。ただし,シャッター速度が表示される場所は,ファインダー内の左下隅であり,見にくい。露出計のスイッチは,巻き戻しクランクの周囲にあり,シャッターや巻上げの操作と完全に独立している。慣れないと,電源スイッチの操作を煩雑に感じるだろう。また,ボディは重い。フィルム装填を容易にするQLシステムが採用されていた。

Canon FTb, No.3107110
シャッター機械制御横走り布幕
シャッター速度B,1〜1/1000スピードライト同調1/60sec,X
露出計TTL中央部重点測光露出モードマニュアル
マウントキヤノンFDマウント
発売1973年