キヤノン

AV-1

Canon / AV-1

 キヤノンの一眼レフカメラのうちで「Aシリーズ」とよばれるものは,AE機能を1つのセールスポイントにしていたように見受けられる。有名なものとしては,大ヒット商品になったAE-1やマルチモードAEを実現したA-1があげられる。AE-1ではオプション品としてワインダーが用意され,AE機構とあいまって「連写一眼」のセールスコピーもよく知られるようになった。AE-1のAE機構はシャッター速度優先AEであったが,ニコンやミノルタ,ペンタックスの一眼レフカメラは絞り優先AEを採用した。その結果,この当時のキヤノンの一眼レフカメラには「シャッター速度優先AE」というイメージが強く植え付けられたように思う。
 だから,絞り優先AEのキヤノンAV-1は,ちょっと目立った存在だ。AV-1はAE専用であり,絞り優先AE専用ということになる。そのようなタイプの機種は,Nikon EMFUJICA AX-1Mamiya ZEMINOLTA X-7,OLYMPUS OM10,PENTAX ME,YASHICA FR-IIなど多くのメーカーから発売されているが,いずれもラインアップの最下位に位置づけられ,購入しやすく扱いやすい製品としてアピールされていた。
 Canon AV-1の標準レンズとしては,廉価な50mm F2レンズが用意された。この50mm F2レンズは,従来のブリーチロック式から,レンズを回すだけで脱着ができるしくみに改められたものである。このようなレンズは,従来のブリーチロック式の「FDレンズ」に対して,「ニューFDレンズ」とよばれ,他のレンズもモデルチェンジされていった。

Canon AV-1, No.194839
シャッター電子制御横走り布幕
シャッター速度B,X,2〜1/1000(AE)スピードライト同調1/60sec,X
露出計TTL中央部重点測光露出モード絞り優先AE
マウントキヤノンFDマウント
電源4SR44酸化銀電池 または,4LR44アルカリ電池 1本
発売1979年

 AV-1は,電源として4SR44(または4LR44)を使用する。電池ボックスの空間は,4SR44 (4LR44)とほぼぴったりのサイズで,接点がバネになっていない。そのため,4個のSR44(またはLR44)で代用するならば,金属片等で接点を継ぎ足してやる必要がある。
 なお,電池がないと,シャッターはうんともすんとも言わない。