丹東照相機廠(dan dong zhao xiang ji chang)は,中華人民共和国遼寧省にあるカメラ工場。「牡丹MD-1」は,そこで製造された二眼レフカメラである。製造年代についての詳細はわからないが,この工場は1970年代から稼働しており,この種の二眼レフカメラが製造されたのは,1980年代であるらしい。 ネームプレート上部にあるシリアルナンバーは,「MD-8479001」となっている。旧ソ連製のカメラには,シリアルナンバーの上位2ケタが製造年代をあらわす例があるが,中国のカメラにも同様の習慣があるものとすれば,このカメラは1984年に製造されたことになる。撮影レンズの下に「丹東照相機廠」のみが記載されているものは「牡丹」の比較的初期のモデルらしいので,製造年を1984年と考えるのは,妥当なものと思われる。
シャッター速度はBおよび1秒〜1/300秒,セルフタイマーも内蔵されている。搭載されたレンズは3枚玉の75mm F3.5。ピント調整はレンズボード繰り出し式で,最短撮影距離は約1m。ファインダーにはルーペが組みこまれている。このように,安価な二眼レフカメラとしては,一般的なスペックである。 フィルム送りは,フィルムの裏紙にプリントされた数字を,背面の赤窓で確認しながらノブをまいておこなう,「赤窓式」である。このカメラの特徴は,赤窓が2つあることで,赤窓の蓋の1つには「12」,もう1つには「16」という数字が記されている。「12」は「12枚撮り」を意味し,6×6判で撮影するときに使うものであり,「16」は「16枚撮り」を意味し,6×4.5判で撮影するときのものである。6×4.5判と6×6判との切り替えは,カメラ内部にマスクをはめたりはずしたりすることでおこなう。しかし,一度,フィルムを装填すると,マスクをはめているかどうかはわからなくなってしまう。6×6判で撮っているのか,6×4.5判で撮っているのかを忘れると,たいへんなことになってしまうだろう。もちろん,フォーマットを途中で切り替えられるような器用な機能は,用意されていない。カメラを横にして構えることが難しい二眼レフカメラの宿命もあり,6×4.5判での撮影にいかほどの実用性があるかは不明だが,ちょっとした旅行等での記念写真を撮るような用途であれば,とくに問題はないのかもしれない。
丹東照相機廠(dan dong zhao xiang ji chang)は,中華人民共和国遼寧省にあるカメラ工場。「牡丹MD-1」は,そこで製造された二眼レフカメラである。製造年代についての詳細はわからないが,この工場は1970年代から稼働しており,この種の二眼レフカメラが製造されたのは,1980年代であるらしい。
ネームプレート上部にあるシリアルナンバーは,「MD-8479001」となっている。旧ソ連製のカメラには,シリアルナンバーの上位2ケタが製造年代をあらわす例があるが,中国のカメラにも同様の習慣があるものとすれば,このカメラは1984年に製造されたことになる。撮影レンズの下に「丹東照相機廠」のみが記載されているものは「牡丹」の比較的初期のモデルらしいので,製造年を1984年と考えるのは,妥当なものと思われる。
シャッター速度はBおよび1秒〜1/300秒,セルフタイマーも内蔵されている。搭載されたレンズは3枚玉の75mm F3.5。ピント調整はレンズボード繰り出し式で,最短撮影距離は約1m。ファインダーにはルーペが組みこまれている。このように,安価な二眼レフカメラとしては,一般的なスペックである。
フィルム送りは,フィルムの裏紙にプリントされた数字を,背面の赤窓で確認しながらノブをまいておこなう,「赤窓式」である。このカメラの特徴は,赤窓が2つあることで,赤窓の蓋の1つには「12」,もう1つには「16」という数字が記されている。「12」は「12枚撮り」を意味し,6×6判で撮影するときに使うものであり,「16」は「16枚撮り」を意味し,6×4.5判で撮影するときのものである。6×4.5判と6×6判との切り替えは,カメラ内部にマスクをはめたりはずしたりすることでおこなう。しかし,一度,フィルムを装填すると,マスクをはめているかどうかはわからなくなってしまう。6×6判で撮っているのか,6×4.5判で撮っているのかを忘れると,たいへんなことになってしまうだろう。もちろん,フォーマットを途中で切り替えられるような器用な機能は,用意されていない。カメラを横にして構えることが難しい二眼レフカメラの宿命もあり,6×4.5判での撮影にいかほどの実用性があるかは不明だが,ちょっとした旅行等での記念写真を撮るような用途であれば,とくに問題はないのかもしれない。