セコニック

オートリーダー L-38

SEKONIC / AUTO LEADER L-38

 セレン光電池を使用した,コンパクトな反射光式露出計。2枚目の画像のように受光部にはカバー(取扱説明書では「マルチフィルター」という名称になっている)があり,ここを閉じた状態で測光するか開いた状態で測光するかで,測光範囲を2段階に変えることができる。さらに暗い場所では3枚目の画像のように,下部のアンプを引き出して測光する。

 日本カメラショー「カメラ総合カタログ」では,vol. 1(1960年3月)に掲載がある。同時に掲載されていたセコニック オートルミーが「新製品」と書かれていたのに対し,これにはそのような記述がないので,前年までに発売されたものと思われる。vol.3 (1960年10月)ではメーカー別ではなく種類別に編集されており,「セコニック露出メーター」として3機種だけ掲載されているなかに含まれている。vol.6 (1961年9月)には掲載がなく,vol.9 (1962年5月)では後継機のSEKONIC AUTO LEADER L-99にモデルチェンジされている。
 「アサヒカメラ年鑑」では,1957年版および1958年版に掲載されたセコニックの広告には記載がない。1961年版(1961年3月)に掲載された広告には記載がある。
 日本カメラ「カメラ年鑑」では,1961年版(1960年12月)に記載があるが,1958年版および1964年版には記載がない。
 以上のことから,セコニック「オートリーダー L-38」(model 38)が発売されていた期間は,1959年から1961年にかけてのことであると考えられる。

SEKONIC AUTO LEADER L-38, No.K0 216379
測光種類反射光式 高低3段切換
電源不要
発売1959年〜1961年ころ

 セコニック「オートリーダー L-38」が発売されていた期間は長いものではないが,表面のデザインが異なる2種類のバージョンが存在することが確認できている。1つは指針を読み取る窓の下に「SEKONIC」という刻印があるタイプで,もう1つは指針を読み取る窓に「SEKONIC」という文字が書かれているものである。また,裏面の銘板に「JISマーク」が入っているものと,入っていないものが存在している。
 これらの組み合わせで,「ロゴが窓の下/JISマークなし」「ロゴが窓の下/JISマークあり」「ロゴが窓の部分/JISマークあり」という3つのバージョンの存在を確認している。

 シリアルナンバーを確認すると,「ロゴが窓の下/JISマークなし」のものは「9 039253」「9 059274」,「ロゴが窓の下/JISマークあり」のものは「K9 137007」「K0 216379」,「ロゴが窓の部分/JISマークあり」のものは「K1 400830」となっている。シリアルナンバーの意味はわからないが,「KはJISマークありを示す」「最上位の数値は西暦の下1桁を示す」と考えれば発売期間と整合するし,JISマークが入っているもののほうがあたらしいと考えるのが自然であることとも整合する。