ミノルタ

カピオス160a

MINOLTA / Capios 160a

 ミノルタ「Capios 160a」は,37.5mm〜160mmのズームレンズを内蔵した,フルオートコンパクトカメラである。このカメラの機能からは,とにかく「すごい」という印象を受けるだろう。

まずは,レンズの焦点距離が「すごい」。
 内蔵されたズームレンズは,コンパクトカメラとしては超望遠レンズと言ってもよい,160mmまでをカバーするものになっている。
 1990年代半ば以降,コンパクトカメラの上位モデルでは「望遠レンズの長さ」を競うような状況が見られ,コンパクトカメラに内蔵されたズームレンズは,どんどん焦点距離が長くなっていった。1996年のペンタックス「ESPIO 160」では160mmになり,1999年のペンタックス「ESPIO 200」ではついに200mmにまで達して,コンパクトカメラ最長望遠レンズとなる。ESIPO 200がカタログから消えた後も,ペンタックス「ESPIO 170SL」キヤノン「オートボーイ180」などがラインアップされていた。

つぎに,測光機能が「すごい」。
 取扱説明書では,測光方式が「125分割測光」ということになっている。
 分割測光のカメラとしては,1983年に発売されたニコンFAの「5分割マルチパターン測光」が有名である。より精度をあげるべくその分割数を増し,1996年に発売されたニコンF5では「1005分割」にまで発展している。Capios 160aの「125分割測光」は,Nikon F5にくらべれば格段に分割数が少ないとはいえ,コンパクトカメラとしては十分すぎるのではないだろうか。2000年に発売されたニコンF80では,10分割しかしていないのである。そもそも,世界初の分割測光とされているのは,1966年に発売されたミノルタ「SR-T101」の「上下2分割測光」である。Capios 160aの「125分割測光」は,分割測光に対するミノルタの意地ととらえてもよいのだろうか?

そして,測距がいちばん「すごい」。
 パッシブ型の測距センサは,視野のかなりの部分をカバーしている。そして「エリアAF」モードにしておくと,自動的に被写体を判別して,そこにピントをあわせようとする。そのとき,どこにピントをあわせようとしてているかが,ファインダー内の赤い枠として表示される。また,「ターゲットAF」モードでは,動く被写体にピントをあわせつづけようとし,さらに動体予測機能がはたらく。この当時のコンパクトカメラでそこまでの機能をもたせていることには,すなおに「すごい」と言うしかないだろう。

MINOLTA Capios160a, No.
撮影レンズMINOLTA LENS 37.5mm-160mm F5.4-F12.4
シャッター速度10秒〜1/500秒
絞り
ピント調節パッシブ式オートフォーカス(エリアAF,スポットAF,ターゲットAF)
 37.5mm:0.6m〜∞
 160mm:0.95m〜∞
発売2002年


*1 http://www.kenko-tokina.co.jp/konicaminolta/support/manual/ls/c140a160aj.pdf