フジカ

オート5

FUJI / FUJICA AUTO-5

 5つの自動化を実現したという意味で,「オート5」という名前がつけられた。5つの自動化とは,次のような内容である。

・フィルム簡易自動装填
・フィルム自動巻き上げ
・フィルム自動巻き戻し
・自動露出
・フィルム感度オートセット

 ただし,「フィルム自動巻き戻し」というのは,フィルムが終わりに達したら,スイッチを切り替えることで電動で巻き戻しができるというもの(オートリワインド)であり,フィルムが終わりに達したら自動的に巻き戻しがはじまるというもの(オートリターン)ではない。後のフジカオート7(全自動フジカ)では,これがオートリターンに改められている。また,「フィルム感度オートセット」のための接点の位置は,富士フイルム独自のものであり,DXコードのものとは異なる。


FUJICA AUTO-5, Body No.7058690
撮影レンズFUJINON 38mm F2.8 4群4枚
シャッター速度1/8〜1/500
絞り2.8 〜 16
露出調節プログラムAE
ピント調節目測式 0.9m〜∞
内蔵フラッシュGN12 (ISO100)電源単3乾電池 2本
発売1980年

フジカ オート5には,日付写しこみ機能を搭載したモデル(フジカ オート5デート)もある。


FUJICA AUTO-5 DATE (FUJINON 38mm F2.8), GOLD200

 1977年にはジャスピンコニカ,1978年にはフラッシュフジカAFが発売されている。これらは,いずれもレバーによる手動巻き上げのAFカメラであった。その後,1979年には,巻き上げも自動化された,キヤノン初代オートボーイが発売されている。このカメラは,そのさらに後に発売されたわけであるが,AFではない。キヤノンオートボーイに対抗するべく投入されたというカメラではなく,AFコンパクトカメラの下位モデルの位置付けにある目測式コンパクトカメラの改良型という位置付けだったのだろう。しかし,当時のAFカメラの機能・性能を考えれば,目測式のカメラを積極的に選択する人もあったかもしれない。