ヤシカ

エレクトロ35 CCN

YASHICA / ELECTRO35 CCN

 ヤシカ「エレクトロ35」シリーズは,「電子回路」によるシャッター制御がなされているのが特徴である。それは,「ローソク1本の光でも情景通りに」(ヤシカエレクトロ35,日本カメラショー「カメラ総合カタログVol.28」,1967年),「ローソクの光でも真夏の海岸の明るさでも」(ヤシカエレクトロ35FC,日本カメラショー「カメラ総合カタログVol.54」,1975年)などのように,明るいところでも暗いところでも,自動的に正確な露出が得られることをアピールしている。このシャッターと大口径レンズの組み合せは,フラッシュが内蔵されることが一般的になるまでは,室内でも撮影ができるカメラとして,強くユーザにアピールできたことだろう。
 このカメラは,ヤシカ「エレクトロ35」シリーズのなかでも,比較的コンパクトな部類になる。1970年発売の「エレクトロ35CC」の改良型のようだが,日本カメラショー「カメラ総合カタログ」に示されているスペック等や製品写真を見くらべるかぎり,その違いはわからない。ただ,同カタログVol.46(1973年)掲載の「エレクトロ35CC」の価格が27,800円であるのに対して,同カタログVol.50(1974年)掲載の「エレクトロ35CCN」の価格は33,500円と,大幅に値上されている。
 このカメラの特徴としては,このクラスのカメラとしては比較的小型軽量であることと,搭載されたレンズが35mmという広角レンズであることがあげられる。

YASHICA ELECTRO35 CCN, BODY No.40401585
撮影レンズCOLOR-YASHINON DX 35mm F1.8
露出調節絞り優先AE F1.8 8〜F16 1/250
ピント調節2重像合致式距離計連動 0.8m〜
発売1973年

YASHICA ELECTRO35 (COLOR-YASHINON 35mm F1.8), JX100

YASHICA ELECTRO35 (COLOR-YASHINON 35mm F1.8), JX100

 35mm判一眼レフカメラ用交換レンズや35mm判ビューファインダーシステムカメラ用交換レンズにおける35mmレンズの開放F値は,F2からF2.8くらいのものが一般的であり,F1.4やF1.8の大口径レンズは,高級品としての位置づけにある。このカメラは,そんな大口径広角レンズをお手軽に体験できるカメラとして,貴重な存在であるといえるだろう。だから,どちらかというと,比較的暗い場面において,開放に近い絞りで撮ってみたい。