リコー

オートショット

RICOH / AUTOSHOT

 ベストセラーカメラ「リコーオートハーフ」をライカ判にしたようなコンセプトのカメラで,セレン光電池による自動露出機構と,ゼンマイによる自動巻上げ機構を持つ。
 巻き上げレバーがないので,上面はすっきりしたデザインとなっている。レンズの周囲にあるセレン光電池の受光部と,そのなかに埋めこまれたかのような,小さなファインダー窓がデザイン上の特徴となっている。
 ゼンマイによる巻き上げは軽快であるが,シャッターレリーズボタンの形や位置,ストロークの長さなどから,シャッターレリーズの操作はやりにくい。とくに縦位置で構えたときは,手ブレをしてしまいそうである。オプション品に,ケーブルレリーズを取りつけるためのアダプタや専用ストロボなどが用意されていた。

RICOH AUTOSHOT, LENS No.128281
撮影レンズRIKENON 35mm F2.8
シャッター速度AUTO 1/125, Flash 1/30, B
絞り2.8〜22(フラッシュ撮影用)
露出調節EE専用
ピント調節目測式 0.9m〜
発売1964年

RICOH AUTOSHOT (RIKENON 35mm F2.8), GOLD200

 見た目の美しいカメラである。適度な重さも心地よい。ピカピカのメッキ,シンプルな操作ボタン類,レンズ回りに感じられる一昔前の近未来的雰囲気は,ほかのカメラには見られない。ゼンマイによる自動巻き上げはそれなりに快適だが,シャッターレリーズのストロークの長さなど,使い心地はあまりよくない。また,描写も平凡であまりよいものではない。使うためのカメラとしての魅力は薄いが,コレクションとしてはぜひ手元に置いておきたいカメラだろう。