ロモ

ソコール2

LOMO / SOKOL 2

 旧ソ連製のレンズシャッターカメラである。貼り革の糊がはみ出しているなど,外見上,粗雑な作りに見える。手にとってみると,ずっしりと重く,安定感がある。
 レンズまわりのデザインからはチープさが漂ってくるが,ファインダーまわりのデザインが洒落ている。ファインダー,ブライトフレーム,距離計窓にそれぞれ小さなガラスをはめこむのではなく,これらを大きなガラスでまとめて覆っている点だ。
 どちらかというとチープな外見に反して,機構的には充実している。ピントリングはファインダーに内蔵された二重像合致式距離計と連動しており,二重像も見やすく,ピントあわせを容易にしている。露出制御については,自動露出(AE)とマニュアル露出が可能になっている。AEはシャッター速度優先になっているが,設定したシャッター速度では適正露出が得られない場合には,自動的にシャッター速度がシフトするようになっている。このとき,ファインダー内にシャッター速度と絞り値が表示され,シャッター速度がシフトしたことも確認できるようになっているのは,優れている。ただ,その文字が小さくて読みにくいことが惜しまれる。

二重像合致式連動距離計を内蔵していることや,シャッター速度優先AEを採用していることを意識すれば,キヤノンのキヤノネットと比較をしたくなる。しかし,ソコール2の発売時期は1970年代以降であるのに対し,キヤノネットシリーズは1970年代までである。
LOMO SOKOL 2, BODY No.8209328
撮影レンズIndustar-70 50mm F2.8
シャッター速度B, 1/30〜1/500
絞りA, 2.8〜16
露出調節シャッター速度優先AE,マニュアル
ピント調節2重像合致式距離計連動 0.8m〜
発売1979年〜1985年

 ずっしりとしたボディは,撮影時の安心感や趣味の道具としての満足感にはプラスに作用するだろう。しかし,この種のカメラは,だれもが気軽に写真を撮るためのものであるはずだ。その場合は,この大きさ,重さは,問題点として浮上するだろう。
 実際に撮影するとこってりした画像が得られそうで,それは写真を撮る道具として,きわめて愉快なポイントだ。
 メカニズム的には,凝ったものを感じる。とくに,自動露出はシャッター速度優先式だが,そのシャッター速度では適正露出が得られないときには自動的にシフトするようになっているのは,おもしろい。ところで,露出計の受光窓は3つあり,ボディ背面に小さなスイッチがある。これらは接続されているように見えるが,具体的にどういうはたらきがあるのかは,わからない。

LOMO SOKOL 2 (Industar-70 50mm F2.8), AGFA HDC100

 「LOMO」は,ソ連時代からロシアで活動している光学機器メーカー(*1)で,Leningradskoye optiko-mekhanicheskoye obyedinenieの意味がある。LOMOが発売したカメラで有名なものに,「LC-A」というものがある。のちに,Lomographyという名称のまったく別の組織が紹介したことをきっかけに,やがて大きな流行になった。そのムーブメントは日本国内でも,「トイカメラ 」というものの流行としても観察されるようになった。
 そのため,「LOMO」という語については,使う人,使われる場面などによって,いくつかのまったく異なる意味をもつようになっている。これについては,日本国内での流行にかかわることになっている,SuperHeadzのWebサイトでの説明(*2)が参考になる。ここでは,「LOMO」という語には4つの意味があるとしている。


*1 http://www.lomo.ru/
 ЛОМО (ロシア語)

*2 http://www.superheadz.com/lomoheads/whats/index.html
 トーキョーロモヘッズとは? (SuperHeadz)
ここでは「LOMO」に,「ロシアのLomo社」「ウイーンのLomo(いわゆるLomographicSociety)」「ロモジャパン」と自分たち「TokyoLomoHeads」の4つの意味があるとしている。