タムロン

AF70-210mm F4 (47A)

TAMRON / AF70-210mm F4 (47A)

 鏡胴内に測距センサ,レンズ駆動モーター,電源(単4乾電池3本を使用する)を内蔵しており,このレンズ単体で,オートフォーカス撮影に必要な機構をすべてもっている。マウントは,タムロンのアダプトール2仕様のため,豊富に用意されたマウントアダプタを利用して,いろいろなメーカーの一眼レフカメラで使うことができる。カメラ本体にAF機構があろうとなかろうと,そんなの関係ねぇのである。はーい,ボタンを押せば,ピピッとピントがあうのだ。実際には,そこまでスムースにはピントがあわないのだが。ともあれ,M42マウントやトプコンマウントのカメラであっても,AF撮影を楽しむことができるレンズなのである。
 焦点距離は,望遠ズームレンズとしては一般的な70mmから210mmをカバーするものであるが,電源を含むAF機構を内蔵していることと,ズーム全域で開放F値がF4で一定であることとが影響しているのだろう,レンズはやや大柄である。焦点距離を変えてもF値が変化しないため,TTL露出計を内蔵しないような古いタイプのカメラでも使いやすい。つまり,そのような古いカメラであっても,AF撮影を楽しめるということである。
 先にも少し触れたが,AF機構にはやや物足りないものがある。ピントの検出,レンズの駆動など動作には,やや間が感じられる。ピント位置に迷うこともあり,スムースに合焦しないことも少なくない。IF式のため,ズーミングやピント調整をしても全長が変化しない。また,ピントリングは軽く,無限遠から最短撮影距離までのピントリングの回転角はあまり大きくない。これらは,AFレンズとして都合のよい仕様になったものと思われる。IF方式のためにフィルタ枠が回転しないのは,なにかと好都合であるが,AFを前提にしたピントリングは,マニュアルフォーカスで使いやすいものではない。
 それでも,描写は悪くなく,使っておもしろいレンズであることは間違いない。1980年代初期のAEカメラと組みあわせて,動作を楽しみながら余裕をもって撮影するのがお似合いだろう。

TAMRON AF70mm-210mm F4 (47A), No.704371
焦点距離70mm-210mm 口径比4
レンズ構成11群15枚
マウントアダプトール2交換マウント
発売1987年