フジ

Xフジノン 50mm F1.9 FM

FUJI / X-FUJINON 50mm F1.9 FM

 フジカAX用の標準レンズで,標準レンズとしては50mm F1.6,50mm F1.9,50mm F2.2の3本が用意された。ほかのメーカーであれば,F1.4,F1.7,F2くらいのラインアップになると思われるので,やや暗めの開放F値が気になる存在である(笑)。フジカAXシリーズ最上位モデルFUJICA AX-5はシャッター速度優先AEやプログラムAEの使えるマルチモードAE機だったが,シャッター速度優先AEおよびプログラムAEに対応するレンズには「DM」という記号がつけられており,「FM」という記号のつくレンズはシャッター速度優先AEおよびプログラムAEに対応していない。また,フジノンレンズと言えばEBCと称するコーティングが高い評価を得ているが,このレンズにはEBCではないようだ。さらに,この当時の標準レンズの最短撮影距離は0.45mくらいが一般的だったが,このレンズの最短撮影距離は0.6mになっている。これらのことを総合的に見ても,廉価版として位置づけられていたレンズのようだ。このレンズのさらに下位に位置づけられる50mm F2.2レンズだと,価格最優先という商品になっていたのだろうか,これも気になる存在である。

 フジカAX用レンズのレンズマウントは,「フジカXマウント」である。2012年に発売されたディジタルカメラFUJIFILM X-Pro1のレンズマウントは,「フジフイルムXマウント」である。混同しやすいので,勝手に「フジXマウント」などと略してはいけない。「フジAXマウント」とよぶのは正確ではないが,混同しないからマシである(笑)。

X-FUJINON 50mm F1.9 FM, No.
焦点距離50mm 口径比1.9
レンズ構成?群?枚
最短撮影距離0.6m
マウントフジカXマウント
発売?年

FUJICA AX-1, X-FUJINON 50mm F1.9 FM, ACROS
FUJICA AX-1, X-FUJINON 50mm F1.9 FM, ACROS

 開放付近の絞りで撮ったものであるが,標準レンズにしては周辺減光があるように思われるなど,周辺の描写はややあやしい。そのかわりに,中央付近においた被写体は,ほどよく浮かびあがってくれるように感じる。日の丸ニコパチ的なお手軽撮影には,これくらいが適した性能なのかもしれない。