チノン

AFズーム 28-70mm F3.5-4.5

CHINON / AF 28-70 F3.5-4.5

 オートフォーカス一眼レフカメラCHINON CP-9 AF専用の標準ズームレンズである。CHINON CP-9 AFのオートフォーカスシステムは,オートフォーカス用のセンサやピントリング駆動用の電源はボディ側にもちながらも,ピントリング駆動用モーターをレンズ側に内蔵させた独特のものである。このシステムに対応したレンズは,日本カメラショー「カメラ総合カタログ」では,このAFズーム28-70mmと望遠ズームレンズであるAFズーム70-210mmの2本しか掲載されなかった。
 ピントリングを駆動させるモーターをレンズ側に内蔵しているという点では,キヤノンのEOSと似たようなシステムであるが,このレンズマウントの基本形状はKマウントと互換性のあるものとなっている。ペンタックスのAレンズと同様の電気接点が設けられているが,オートフォーカスのための電気接点はペンタックスのシステムのものとは異なっている。また,レンズに絞りリングが設けられていない。したがって,このレンズをほかのKマウントカメラのボディに装着することは可能であるが,実質的には使用できない。

AF 28-70mm F3.5-4.5, No.8933818
焦点距離28-70mm 口径比3.5-4.5
レンズ構成?群?枚
マウントKマウント互換(チノンAF専用)
発売1988年ころ

CHINON CP-9 AF, CHINON AF ZOOM LENS 28-70mm F3.5-4.5, ACROS

この時代の,このクラスのズームレンズらしく,硬質で無難な写りを見せてくれる。

CHINON CP-9 AF, CHINON AF ZOOM LENS 28-70mm F3.5-4.5, ACROS

レンズ内モーター式であるが,キヤノンやニコンのような超音波モーターではないようで,動作するときの音はかなりけたたましい。しかしながら,動作そのものとはとても速い。

CHINON CP-9 AF, CHINON AF ZOOM LENS 28-70mm F3.5-4.5, ACROS

標準ズームレンズとして一般的な「マクロ機能」があるので,そこそこの接写は可能であるが,それにしても「このレンズならでは」の描写が得られるわけではない。レンズがふつうに優等生的であるため,結果としてチノンCP-9 AFも目立たない存在になってしまったのだろう。