1970年に発売されたローライフレックスSL35 (絞りこみ測光)の改良型で,開放測光に対応するようになった。ペンタプリズムカバーの頂上部が平らなカマボコ型になっている独特のシルエットは,優しい印象を与えてくれる。 このカメラは,フォクトレンダを吸収したツァイス・イコンにとって最後の35mm判一眼レフである「イカレックス」シリーズを引き継いだローライによって発売されたものであり,シャッター速度ダイアルの位置などにその名残があると見ることができる。「ローライフレックス SL35M」として発売されただけでなく,「フォクトレンダ VSL-1 (BM)」としても発売されている。 交換レンズ群には,カール・ツァイスブランドのもののほかに,ローライナーという日本製レンズ群(比較的低価格で提供された)も用意されていた。それは,日本製カメラとの価格競争のためだったものと思われる。また,ボディはシンガポール製で,それも価格競争のための戦略の結果と思われるが,そのせいで「ブランド」力が劣ったのだろう,少なくとも日本市場では大成功したとは言いがたかったようだ。現在でも,中古カメラ店で見かけることは決して多くないシリーズである。電気系統(露出計)の故障が多いようだが,メカニズムはしっかりとつくりこまれた印象がある。
1970年に発売されたローライフレックスSL35 (絞りこみ測光)の改良型で,開放測光に対応するようになった。ペンタプリズムカバーの頂上部が平らなカマボコ型になっている独特のシルエットは,優しい印象を与えてくれる。
このカメラは,フォクトレンダを吸収したツァイス・イコンにとって最後の35mm判一眼レフである「イカレックス」シリーズを引き継いだローライによって発売されたものであり,シャッター速度ダイアルの位置などにその名残があると見ることができる。「ローライフレックス SL35M」として発売されただけでなく,「フォクトレンダ VSL-1 (BM)」としても発売されている。
交換レンズ群には,カール・ツァイスブランドのもののほかに,ローライナーという日本製レンズ群(比較的低価格で提供された)も用意されていた。それは,日本製カメラとの価格競争のためだったものと思われる。また,ボディはシンガポール製で,それも価格競争のための戦略の結果と思われるが,そのせいで「ブランド」力が劣ったのだろう,少なくとも日本市場では大成功したとは言いがたかったようだ。現在でも,中古カメラ店で見かけることは決して多くないシリーズである。電気系統(露出計)の故障が多いようだが,メカニズムはしっかりとつくりこまれた印象がある。