リコー

XR-10M

RICOH / XR-10M

 RICOH XR-Xにかわって発売されるようになった,電動ワインダーを内蔵した一眼レフカメラである。ただし,RICOH XR-Xの後継機ではなく,下位モデルとみなすほうがよさそうである。RICOH XR-Xとは異なり,プログラムAEには対応しておらず,露出モードは絞り優先AEとマニュアル露出のみである。しかしながら,オートブラケティングや多重露光など,撮影に便利な機能は用意されている。RICOH XR-Xのボディ価格が55000円だったのに対して,XR-10Mは34800円という低価格であることも,大きな特徴といえる。日本カメラショー「カメラ総合カタログ」では,vol.99 (1990年)からvol.109 (1994年)まで掲載がある。

RICOH XR-10M, No.88 110768
シャッター電子制御縦走り金属幕
シャッター速度B,32〜1/2000 (AE),16〜1/2000 (マニュアル)
露出計TTL中央重点平均測光
マウントK
電源単3型電池 4本
発売1990年6月

 はじめての電源投入時には,上面の液晶ディスプレイに「AUTO」と表示されているので,絞り優先AEモードになっていることがわかる。しかし,ここからマニュアル露出モードに切りかえる方法が,わからない。上面に「MODE」ボタンがあるが,これはオートブラケティング撮影や多重露光などを切りかえるものであり,露出モードを切りかえるものではない。
 露出モードを切りかえるには,シャッターレリーズボタンの手前にある「上」「下」のボタンを使う。「AUTO」の状態で「下」ボタンを長押しすれば「2000」が表示され,マニュアル露出モードでシャッター速度が1/2000秒になったことが示される。以後,「下」を押すたびにシャッター速度が遅くなり,1/2秒の次は「L1」が表示され,これは1秒をあらわす。さらに押していくと「L16」が表示され,これは16秒をあらわす。その次は「bulb」となり,さらに「下」を押すと,「AUTO」にもどる。
 「AUTO」の状態で「上」ボタンを長押しすると,「bulb」になる。そして「L16」から順次,速いシャッター速度に切りかわっていき,1/2000秒のつぎは「AUTO」にもどる。
 つまり,「AUTO」を含んだシャッター速度ダイアルと同じ構造である。「AUTO」から動かすときは長押しが必要なのは,ダイアルを「AUTO」から動かすときにロックがかかっていることと同じはたらきをねらったものであろう。このユーザインタフェースは,RICOH XR-Xと同様のものである。