マミヤ

ZE

Mamiya / ZE

 クォーツ制御のシャッターを搭載した,AE一眼レフカメラである。マミヤの35mm判一眼レフカメラとしては,最後のシリーズとなる。これは輸出用ボディだが,国内向けのものには,「ZE」のロゴの下に「QUARTZ」という文字が刻まれていた。絞り優先AE専用機だが,B,Xは機械式制御になっていて,電池がなくても動作する。ファインダー内にシャッター速度が表示されるが,表示は1000〜30およびLTとなっており,低速シャッターの値は具体的に表示されない。LTは,1/30秒より長いロングタイムの意味だろう。LTになったらフラッシュを使うようにしなさい,ということかもしれない。こういう面から,あくまでも初心者を対象にしたカメラであると考えられる。シャッターダイヤルをAEL(AEロック)にすると,シャッターボタン半押しで測光した値がロックされる。これは,たいへん使いやすい。
 ZEシリーズの特徴は,レンズマウントに10個の電気接点が用意されていることがあげられる。これは「ミラクルマウント」(Eタイプレンズ)と称している。ただし,ZEボディではこのうちの3個しか使用していない。なお,このマウントの電気接点は後に11個に増え,被写体への距離情報も伝えるように発展した(EFタイプレンズ,ZE-Xで対応)。この電気接点は,ZE-Xボディでは15個まで増えているが,うち4個は未使用となっている。その後,オートフォーカスに対応したカメラ「ZF」が試作されたらしいが,そこではこれらの接点はどのように活用されたのだろうか。
 一方,ボディ外装には,軽量化のためにかプラスチックが使われている。このプラスチックはあまり丈夫なものに感じられず,カメラのいわゆる「質感」というものを大きく低下させ,安っぽい印象を与えてしまっている。実際に使ってみても,動きがあまりスムースではなく,使いながら不安を感じてしまう。
 このシリーズのカメラの魅力は,レンズにある。用意された交換レンズのスペックに目立ったものはないが,コンパクトなズームレンズやマクロレンズなどのしっかりとした描写は,捨てがたい魅力である。広角ズームレンズ(Mamiya-sekor Zoom E 28-50mm F3.5-4.5)が比較的早期にラインアップされていたことは,特筆できる点である。また,広角ズームレンズがセットで販売された例としては,マミヤZEがもっとも早期のものではないかと思われる(→参考「撮影日記」2007年5月11日)。

Mamiya ZE, No.N163162
シャッター電子制御縦走り金属羽根
シャッター速度B, X, AUTO(1〜1/1000)スピードライト同調1/90sec,X
露出計TTL中央部重点測光露出モード絞り優先AE
マウントミラクルマウント
発売1981年

 マミヤZEおよびマミヤZE-2が発売された時代は,「AE一眼レフ」全盛期と言える。各社からAE一眼レフカメラが出そろって,さらに『プログラムAE』や『マルチモードAEカメラ』が登場し,「『絞り優先AE』と『シャッター速度優先AE』は,どちらがいいか?」というネタにひと区切りがついた,そんな時代である。この後AE一眼レフカメラは,さらに電動ワインダーを内蔵し,さらにオートフォーカスへと進化していく。だからこの時代には,オプション品としての電動ワインダーを各社ともが用意していた。もちろん,マミヤZEシリーズも例外ではない。ZE WINDERは,単3乾電池4本で動作する,コンパクトなワインダーである。