コニカ

エイコム・ワン (愛情コニカ)

Konica / Acom-1

 コニカの一眼レフカメラとして,小型軽量をセールスポイントにした機種は,これがさいしょのものだろう。
 日本カメラショー「カメラ総合カタログ」vol.58(1977年)では,「お求めやすい価格,使いやすさが特徴」「スナップに必要なメカだけを追及し,操作性を高めるゆきとどいた愛情設計で女性にもピッタリ」とアピールしている。このときには使われていないが,のちにオートデート機構が内蔵された「コニカ Acom-1 オートデート」が発売されたときには,「愛情コニカ」という愛称名も「カメラ総合カタログ」の紙面で見られるようになる。
 日本カメラショー「カメラ総合カタログ」vol.68(1980年)では「コニカ Acom-1 オートデート」にモデルチェンジされているが,このときまではKonica FS-1などのほかの一眼レフカメラと並んで掲載されていた。ところが,日本カメラショー「カメラ総合カタログ」vol.69(1980年)からは,Konica FS-1,Konica FC-1といったほかの一眼レフカメラとは交換レンズなどのシステムをはさんで,離れて掲載されるようになる。コンパクトカメラと並んで掲載されるようになったのは,コンパクトカメラと同じ客層を狙った商品として位置づけていたのであろうか。
 日本カメラショー「カメラ総合カタログ」vol.77(1983年)では掲載されなくなったので,販売終了は1982年ころであると考えられる。

 シャッター速度の低速側は「リコーのサンキュッパ」RICOH XR500と同じで1/8秒までとなっており,少々,割り切った仕様となっている。しかし,「スナップに必要」という面では,これで必要十分である。割り切り方がうまい,と高く評価しておきたい。
 巻き上げレバーを引き出すと,シャッターレリーズボタンの半押しで露出計がONになる。巻き上げレバーをもどすと,シャッターレリーズにロックがかかる。合理的なしくみであるが,Nikon New FM2などと同様に,個人的には少しなじめない。シャッター速度優先AEというのも,絞り優先AEを使い慣れている私にとっては,なじみにくいものであるが,そのような要素をさしひけば,操作ミスも防げるし,シンプルで使いやすいカメラになっているものと思う。

Konica Acom-1, No.4021557
シャッター縦走り金属幕
シャッター速度B, 1/8〜1/1000
スピードライト同調X接点 1/125
露出計ARレンズは開放測光,シャッター速度優先AE
ARMレンズは絞り込み測光
露出モードシャッター速度優先AE
AE連動限界自動補正機構付き
マウントコニカマウント2型(コニカARマウント)
発売1976年