第1展示室(7)

乾板カメラ

plate cameras

ガラスの板が写真を変えた

 最初の写真は,銀板に写された。やがて,ガラス板に薬品を塗り,それが乾かないうちに撮影,現像処理をおこなう湿板が登場した(1850年代初め)。これは銀板とちがって多数のプリントをつくることができ,しかも材料費も安いというものだが,とくに屋外での撮影の準備が面倒なものになる。
 その後に登場した乾板は,ガラス板に薬品を塗ったものであるが,それを乾燥させてから使うものである(1870年代初め)。工場での大量生産も可能で保存もきくため,屋外での撮影も容易になった。乾板の便利さを活用できるのが,小型につくられたハンドカメラである。1888年の「コダック」以後,ロールフィルムが主流になるまでは,大小さまざまなサイズの乾板が使われた。

アトム判

ゲルツ テナックス

C.P. Goerz / vest pocket TENAX


大名刺判

エルネマン ヘーグ0

ERNEMANN / HEAG 0


「チェキ」のフィルムを利用する

 2016年に富士フイルムがインスタントフィルム「FP-100C」の販売終了をアナウンスしたことによって,大判カメラ等で利用されてきたピールアパート式のインスタントフィルムはすべて終了した。その結果,現行品として入手できるインスタントフィルムは,富士フイルムが発売する自動現像方式の「instax mini」と「instax WIDE」(「チェキ」および「チェキWIDE」用フィルム)のみとなった。このうち「instax mini」フィルムの画面サイズは,アトム判とほぼ同じである。また,フィルム全体の大きさは,大名刺版とほぼ同じである。イレギュラーな方法であるが,これらのフィルムを利用して撮影を楽しむこともできなくはない。

概要

 「チェキ」フィルムのカートリッジからフィルムを抜き取り,これをプレートホルダに詰めかえて撮影する。撮影したフィルムは「チェキ」フィルムのカートリッジに詰めもどし,「チェキ」を動作させることで現像する。詰めかえ/詰めもどし作業は,ダークバッグ等を用いて完全暗黒下でおこなう。また,現像するための「チェキ」は,レンズを完全に覆っておく。

アトム判(V.P. Tenax)での例

●「チェキ」フィルムをフィルムホルダに詰めかえる

 パックフィルム用のホルダを利用する。スチレンボードをホルダと同じ長さで,幅は少し狭くして切ったものに,遮光用の革を貼っておく。

 チェンジバッグ内などの暗黒環境下で,「チェキ」フィルムのカートリッジから指で押し出して,フィルムを抜き出す。
 「チェキ」フィルムのカートリッジで,いちばんうえに入っているのは,遮光用の板である。フィルムを抜き出したあとは,遮光用の板をもどして「チェキ」カメラにセットしておけば,不用意に露光させてしまうこともない。

 「チェキ」フィルムは,茶色い側が露光する面であり,白い面に写真ができる。白い面の縁に沿って,露光面が外側になるように折り目をつける。折る基準になる縁は,手さぐりでもじゅうぶんにわかる。

 折るのは,上側(現像液の入っていない側)から半分すぎほどまでにする(不用意に現像液の入った部分を破いてしまわないため)。折り目をつけたら,折り目をつけた側をホルダに入れる。

 あらかじめ用意しておいた,遮光用の革を貼ったスチレンボードでおさえ,蓋をする。

●撮影した「チェキ」フィルムを現像する

 チェンジバッグ内などの暗黒環境下で,露光面(茶色い側)が外になるように,「チェキ」フィルムのカートリッジにフィルムをもどす。遮光用の板を少しだけカートリッジから出し,それをガイドにすると入れやすい。

 カートリッジにフィルムを戻したら,「チェキ」カメラにカートリッジを装填する。「チェキ」カメラのレンズを完全に覆った状態でシャッターレリーズ動作をすると,「チェキ」カメラからフィルムが排出され,現像処理が自動的におこなわれる。

詳細は,「撮影日記」(「チェキ」フィルムで乾板カメラを活用する)も参照。