マミヤ

マミヤシックスK型

Mamiya / Mamiya-Six K

 1940年から1955年にかけて製造された,「マミヤシックス」シリーズの1機種。このモデルは,6×6判,6×4.5判兼用のマミヤシックスV型(1953年)の廉価版という位置づけのモデルである。マミヤシックスV型とマミヤシックスK型の相違点は,以下のようなものがある。

マミヤシックスV型とK型のおもな相違点
特徴 マミヤシックスV型 マミヤシックスK型
フィルム送り 自動巻き止め 赤窓式
レンズ Dズイコー (テッサー型) セコールT (3枚玉)

 マミヤシックスK型では,ファインダーの左右が青く着色されて,6×6判と6×4.5判の視野を区別できるようになっていたが,後継機のマミヤシックスK II型ではファインダーにマスクが内蔵され,視野を切り替えられるようになっている。また,差しこみ式だった圧板が,蝶番式に改良されている。

 「マミヤシックス」シリーズの最大の特徴は,ピントあわせにある。背面の右手側にあるダイヤルを回すことで,ボディ内でフィルムが前後に移動する「バックフォーカス」方式である。ここはダイカストで製造されており,非常に堅牢である。内蔵距離計の基線長は短いが,二重像の分離はよく,使いやすい。軍艦部には距離スケールが表示され(このカメラは,フィート表示のみ)被写界深度の目盛りもある。このように,右手はピント調整とシャッターレリーズに集中でき,たいへん操作がしやすくなっている。

Mamiya-Six K, Body No.26645
レンズSekor T 7.5cm F3.5
シャッター速度B, 1, 1/2, 1/5, 1/10, 1/25, 1/50, 1/100, 1/300
※異なるシャッターが組みこまれているカメラもある。
セルフタイマーつき
シンクロM接点
※X接点との切り替えが可能になっているカメラもある。
ピント調節二重像合致式距離計連動,背面のノブを回すことによりフィルム面が前後する「バックフォーカス」方式。
最短撮影距離3.5ft
※距離目盛でmが併記されているカメラもある。
フィルム送りノブ巻き上げ,赤窓式
画面サイズ6cm×6cm,6cm×4.5cm兼用 発売1954年

MAMIYA-Six K (SEKOR T 7.5cm F3.5), EPN

MAMIYA-Six K (SEKOR T 7.5cm F3.5), E100VS

 6×6判と6×4.5判の兼用となっていることが,最大の特徴であろう。3枚玉のセコールは,周辺部で少し像が流れ気味になるのが,惜しまれる点である。


 マミヤシックスK型の最短撮影距離は,およそ1mである。しかし,左のような「オートアップ」というクローズアップレンズを取りつけると,距離計が連動して0.5mまでの近接撮影が可能になる。

MAMIYA-Six K (SEKOR T 7.5cm F3.5) with AUTO-UP, E100VS