第1展示室(4)

二眼レフカメラ

Twin Lens Reflex cameras

二眼レフカメラとは〜ウエストレベルファインダーの新鮮な視点

 撮影レンズとファインダー用レンズ,あわせて2個のレンズが縦に並び,カメラ上部のファインダーから被写体を見るようなしくみのカメラは,二眼レフカメラとよばれている。2個のレンズがあることから「二眼」,ファインダー内には反射機構があることから「レフレックス」,「二眼レフ」とはそういうことだ。
 二眼レフカメラは,ファインダーを上から覗きこんで使うウエストレベルファインダーになっている。ウエストレベルファインダーのカメラは,カメラを縦にしたり横にしたり持ちかえて構えることがむずかしい。しかし,二眼レフカメラは6×6判のスクエアフォーマット(1辺が約6cmの正方形−ましかくな−画面)となっているため,カメラを縦にしたり横にしたりしても関係がないため,これは欠点とはならない。とはいえ,左右逆像になるウエストレベルファインダーは,慣れないうちは使いにくく感じるかもしれない。
 ウエストレベルファインダーは,通常の目の高さよりもかなり低い位置から被写体を見ることになる。ふだんとは違った視点は,新鮮な感覚を与えてくれる。大胆に,ローアングルから被写体に迫ってみるのも,おもしろいだろう。

スクエアフォーマット〜「ましかく」な画面は独特の世界

 二眼レフカメラの画面は,6×6判の正方形だ。一方,プリント用の印画紙は,長方形である。そのため,プリント時にトリミングして画面の一部を捨てるか,あるいは画面全体を生かして印画紙に大きな余白を出すか,どちらにするべきかといった迷いも生じることだろう。
 そういう意味では,非効率的に思われるスクエアフォーマットだが,正方形の画面には,独特の落ちついた雰囲気が感じられる。「スクエアフォーマットには,縦も横もない」「あとでトリミングすればいい」という考えで使うのも1つだが,「楽しみ」として二眼レフカメラを使うならば,やはり正方形の画面に似あった写真を撮るようにしたいものだ。

クラカメにはじめてふれるなら

 「中古カメラブーム」を通じて,古いカメラ,クラシックカメラに興味を持つようになった人も,少なくないと思う。クラシカルなカメラとして特徴的な外観をもつものは,「蛇腹を使ったカメラ」と「二眼レフカメラ」があげられるのではないだろうか。
 はじめて古いカメラを買って使ってみようと思った人には,二眼レフカメラが適当かもしれない。ウエストレベルファインダーには少々慣れが必要だが,迅速なピント合わせ,クランク等によるスムースな巻き上げ,像消失のないファインダーなど,使いやすさも兼ね備えたカメラであるということもできるからだ。また,国産ブランドの二眼レフカメラのなかには,発売当時,大ヒット商品になって,中古市場に大量に流通しているモデルもある。そのようなカメラは,安価に入手できる可能性も高い。

 速写性と「落ちつき」,そしてレトロ感。これらをすべて兼ね備えた二眼レフカメラ独特の「上から覗く,ましかくでレトロな」世界を,ぜひ楽しんでいただきたい。

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牡丹MD-1

Dandong / Mudan MD-1


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リコーフレックスVIIs

Ricoh / Ricohflex VIIs


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ヤシカフレックスC

Yashica / Yashicaflex C


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ビューティーフレックスT

Taiyo-do / Beautyflex T


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リコーフレックスVII セイコーシャ・ラピッドつき

Ricoh / Ricohflex VII with Seiko-sha Rapid shutter


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エルモフレックス III-F

ELMO / ELMOFLEX III-F


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マミヤフレックスII

Mamiya / Mamiyaflex II


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プリモフレックス

TOPCON / Primoflex II


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ビューティーフレックスIV

Taiyo-do / Beautyflex IV


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リコーフレックスIII (後期モデル)

Ricoh / Ricohflex III


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ローライフレックス オートマット type4

Franke & Heidecke / Rolleiflex automat type4


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ヴィータフレックス(ヴァイタフレックス)

KW / Vitaflex